この冬に種取りするお野菜

小島農園では、固定種野菜を育てています。種取りについてまとめてみました。

今、多く流通しているF1(交配種)との一番の違いは、種をとって播いたら、その野菜と同じ野菜が育つところです。交配種は、いわるゆハーフで親のいいとこどりをしています。雑種強勢と言って、かけ離れた品種を交配することで、生育が早くなり、市場出荷に適しています。ところが、このハーフの種取りをすると、元の両親がかけ離れているので、今度は悪いところがいろいろ出てきます。中には、種ができない品種もあります。

固定種野菜は、毎年種取りしていくことで、その土地になじんでいきます。よく育ったもの、自分の好きな味のもの、病虫害の少なかったものを選んでいくことで、自分好みで、土地にあったものに変わっていきます。2,3年で、ずいぶん土地のなじむとも聞いています。

なぜF1が好まれるかというと、生育が早くて揃うので、市場出荷に適しているからだと思います。そして、畑がはやく片付けられることだと思います。大根でいうと、9月に種まきをすると11,12月に出荷できる大きさになりますが、ナスで言えば苗を作った状態です。春になって花が咲いて、6月になってようやく実が熟します。ほとんど1年かかります。そして、「交雑」というのも種取りを難しくしています。たとえばアブラナ科はよく交雑します。白菜、カブ、菜っ葉類は、近くで種取りすると混ざってしまいます。交雑を避けるため、例えば飯能生まれの「みやまこかぶ」は、山奥で種取りしていたそうです。

前置きが長くなりました。小島農園では、この冬は、次の野菜の種取りをしています。種取り用の母本を植えかえる場合、11月下旬がいいそうです。12月1月は寒すぎて、根付きません。12月に大きくなる白菜や三浦大根などは、暖かくなる2月でも定植できるそうですが、種の量が減るそうです。

くまの畑
黒田五寸人参、★木曽紅カブ、練馬大根(これから)
きつねの畑
源助大根と★山東菜
しかの畑
★タアサイと紅芯大根
うさぎの畑
★水菜、亀戸大根、ゴボウ(これから)、赤ひげネギ(これから)

★がついているのが、交雑しやすいアブラナ科のお野菜で、1つの畑に1種類にしています。近隣の畑の菜花が咲くとそれも交雑してしまうので、群として育てて、交雑を減らします。今年の6月に種取りした「新松島2号白菜」をこの冬栽培したら、大根と交雑した大きな白菜ができてびっくりしました。

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大浦太ゴボウ、10kg以上掘って母本選抜。この中から5本選びました。25㎝くらいに切って定植です。

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黒田五寸人参の母本選抜。右の8本を選びました。8月下旬に種まきしたものですが、りゅうの畑の地力のおかげで、11月下旬に立派に育ちました。

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山東菜の母本を植えなおしたところ。きつねの畑の南端です。

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タアサイの母本を定植。

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源助大根は、きつねの畑の桑の木の近くに定植。

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源助大根。枯草であったかく。

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紅芯大根。しかの畑の端っこに。

カテゴリー: 栽培

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