空いていく田畑をみて、規模拡大を進めています

 2019年に、近所の2件の80代の農家さんが稲作をやめました。飯能市の川崎、下川崎地区で、米作りに力を入れてきた方たちです。その中の1.5反の田んぼが、ちょうど自宅の大家さんの田んぼだったので、借りることになりました。米作りをしながら、地域の空いていく田畑を保全しないとという気持ちが強くなってきました。米や麦の作付を増やすために、2019年には乾燥機(1回に500㎏くらい乾燥できる)を購入していたので、次のボトルネックが収穫になりました。また、自分たちだけですべてを耕作することは難しいと思い、就農する人を応援して田畑を使う人を増やすことや、農業機械の共同利用について考えるようになりました。規模拡大は、人手、畑、機械をどのタイミングで増やすか、どのくらい増やすか、なかなか難しい問題です。自分にできるギリギリを見極めて進んでいます。

コンバインが必要になってくる

2019年、2反5畝の畑の小麦がよく実りました。これは1トン取れるかもと思ったのですが、収穫時期が遅れてスズメが食べてしまったこと、傾斜の下の方では水が集まるので小麦が倒れてしまい収穫できなくなってしまい、収量は500㎏になりました。

今は、バインダーで刈り取って、ハーベスター(脱穀機)で脱穀しています。ハーベスターに次々と麦束を入れるとこき胴が詰まりやすく、こき胴にいっぱいになった麦が外に排出されてしまうこともあります。機械に負担をかけないように、ゆっくり麦束を入れる必要があり、ハーベスターがボトルネックになっていました。それと、1日中脱穀機の振動を感じていると、体がとても疲れます。1日300㎏、梅雨の合間に500㎏収穫するので精いっぱいと感じました。別の地域の農家さんがコンバインで小麦や稲を収穫するのを見て、次はコンバインが必要だと思うようになりました。小麦で作った乾麺が人気なので、小麦はもっと増やしても販売できます。

農機具屋さんに聞くとコンバインは小さいものでも新品で250万円するそうです。インターネットでは中古もいろいろあるのですが、中古は当たりはずれがあり、メンテナンスにも時間がかかるので怖いなと思います。以前、山形の知り合いが使わなくなった大きいコンバインを譲ってくれると言ってくれたのですが、農機具屋さんが古いのは壊れた時が大変ということでもらうのをやめました。2020年に飯能で就農したジャンフィリップさんは、中古の農機具を買い、壊れたものもメンテナンスして動かし、すごいなと思います。うちでは、農業の合間にメンテナンスの時間をそんなに作れないと思っています。

未利用農地の利活用事業でコンバインの半額補助を受ける

2019年12月、コンバインの購入にあたって、補助金を調べたところ「担い手確保・経営強化支援事業」というのを見つけ、市役所農業振興課に尋ねたところ、県の農業振興センターから、飯能市は「未利用農地の利活用事業」というのの対象地域で、その補助金のほうがもらえる可能性が高いというアドバイスをいただきました。

未利用農地利活用事業については、インターネット上に資料がないのですが、埼玉県の中山間地域(秩父市、飯能市など3市が対象らしい)向けの事業になっています。
http://210.140.94.21/a0901/documents/r2nourinsesaku.pdf

④ 未利用農地の利活用促進事業費 8,448
1 目 的
未利用農地が比較的多い中山間地域において、農地の整備と地域特性を活かした農産物の導入を一体的に支援し、農作物の観光施設への供給などにより交流人口を増やして 中山間地域の活性化を図ることで、未利用農地の利活用を促進する。
2 内 容
(1)推進事業費 311
ア 事業主体 県
イ 事業内容 未利用農地の整備及び活用による地域の活性化に向けた関係機関との調整に要する経費。
○県 (2)耕作条件整備事業費 1,240
ア 事業主体 農地中間管理機構
イ 事業内容 地域の未利用農地を含んだ農地中間管理事業と併せた耕作条件の整備に要する経費。
ウ 補助率 7.75/10
○県 (3)生産支援事業費 6,897
ア 事業主体 生産集団等
イ 事業内容 地域の特性を活かした農産物の導入に要する経費。
ウ 補助率 1/2

小島農園では、ちょうど自宅前の2反の耕作放棄地を開墾するところだったので、それを「未利用農地」として申請することにしました。2019年12月にお問い合わせをして、2020年4月に書類などの準備が始まりました。

6月になって新たに分かったことが「生産団体」に対しての補助金なので、農家3軒以上で作る生産団体が必要ということでした。急遽、生産団体を作ることになりました。

稔会結成

自然栽培仲間のほっこりポッコリ自然農園さん、研修生の岡田さん、地主さん1名で稔会を立ち上げました。

農家団体については、以前から必要性を感じていました。無肥料自然栽培のnicoに所属したり、たねのわ(種の交換会の団体)の代表を務めたり、新潟自然栽培研究会と親しくさせてもらってますが、私たちには、いろんな人をまとめる力はなさそうだと感じていました。「どんな人でも歓迎」というのは、実はすごく難しいと思います。機械を共同利用する場合は特に、機械の使い方が荒い人がいると壊れて、それによって人間関係まで壊れてしまう可能性もあります。

2020年から飯能で農業を始めたほっこりポッコリ自然農園さんは、小島農園とかなり相性がいいようです。そして、小島農園の研修生の岡田さん(2021年4月から「固定種野菜生産販売めぐるみどり」として独立)も、穏やかで気づかいのある素晴らしい人です。この人たちとならうまくやっていけると思い、団体設立を持ちかけ、会を立ち上げることができました。本当にいいタイミングで、素晴らしい仲間に出会えたことに感謝です。

規模拡大の第一歩

補助金を受けれることになって、さらにもう1つ必要事項が加わりました。5年で3町の米麦を生産することです。コンバインの処理能力から考えると、そのくらいが必要ということでした。驚きましたー!広いー!今、全部合わせて3町の田畑を借りていますが、まだ規模拡大が必要と分かりました。

田んぼの近くにある3反の畑が、ちょうど耕作者が手放すことがわかり、借りることになりました。緩やかな南向きの傾斜です。耕しすぎると土が流れてしまうので、地主さんからあまり耕しすぎないようにと言われました。私も、緩やかな傾斜の畑はあまり耕したくないので、まずは小麦を植え、今後は環境再生型農業の実験圃場としていろいろ作物を育てたいと思います。

2020年には、田んぼ1.7反も1枚借りることになり、稲作が間に合わなかったのでひとまず大豆を栽培しました。

2020年から借りることになった南斜面のキジの畑

2020年から借りることになった南斜面のキジの畑

コンバイン納車

コンバインが納車されました!

コンバインの納車

コンバインの納車

ロータリー播種機

 コンバインの導入で田畑を広げる余裕ができて、次に必要になったのがロータリー播種機です。トラクターのロータリーで耕耘して、その後ろに取り付けた播種機で同時に種まきする優れものです。3つ播種機がついたもので50万円するのですが、えいや!と購入することにしました。今まで5年くらい、夏の大豆の播種と秋の麦の播種を手押しの播種機を2つ連結して押していました。草のない畑だと割とすいすい押せるのですが、夏のメヒシバが残っている畑だと、草が引っかかって前に進まなくて、何度も草をとらないとです。夏の雨上がりの重い土も大変でした。先日ロータリー播種機を始めて使って、結構草があった畑なのにすいすいと種まきができて感動しました。

ロータリー播種機で小麦の種まき

ロータリー播種機で小麦の種まき

カテゴリー: 規模拡大

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