硬盤層とその破壊
この夏、キュウリ、インゲン、トウモロコシを栽培した辺りは作物の生育がよくありませんでした。後で掘り上げてみると、根張りがよくありませんでした。穴を掘って調べてみると、地下 20cm ほどのところに固い層があり、触ってみるとそこで土がひんやりしているのがわかりました。いわゆる硬盤層と思われます。
施肥しない栽培においては、植物自身に養分や水分を広く、深くから集めてもらうために根張りは非常に重要で、硬盤層を作らない、あったら破壊するのは必須とも言えます。破壊する方法はいろいろありますが、総合的にいちばんよいのは、硬盤を突き抜けることのできる根を持つ植物を育てることかと思います。ただし、時間がかかります。時間をかけずに硬盤を破壊する方法としては、サブソイラーで地中に刃を通すことだと考えています。他にも地中に刃を通す機械はありますが、サブソイラーがよいのは、表面の土の移動を伴わないことです。積極的に天地返しをする流儀もありますが、私は天地返しは土壌生物にとっては相当のストレス、というか大半が死滅するのではないか、と考えています。いずれにしろ、これらの機械を利用するにはある程度の馬力の常用型トラクターが必要です。
常用型トラクターは今のところ所有していないので、小島農園として取れる措置は植物の根による硬盤層破壊しかないか、と考えていたのですが、てるてる農園の臼井さんの話を聞いて、硬盤層を破壊する溝を切る方法も試す価値があるのではないか、と思うようになりました。幸い、カナブン(最大出力 6.5 馬力の歩行型耕耘機)を買ったときに、里芋用の溝堀りセット(耕耘爪と鉄車輪)もついていて、一回で深さ 17cm の溝を掘れることは確認していました。同じ個所を繰り返し掘ることで、物理的に硬盤を破壊できるかもしれないと、今回、試すことにしました。土をだいぶ動かすことになってしまうので、土壌生物の活性は下がってしまうと思いますが、次の作付までの間には回復してくれるのではないか、と期待しています。
硬盤層破壊溝
上のような溝を 2 本掘りました。溝から脱出して方向転換するのが困難なので、行きつ戻りつしながら土を削り、跳ね上げきれない土を鋤簾で掻き出したり、とけっこう時間がかかりました。当初の予定では 3 本切る予定でしたが、2 本でやめました。最後の方は、耕耘爪が少しずつ削っていくよう、同じ場所で爪を上下に動かす方法を編み出しました。非常に疲れるのですが、跳ね上げられてくる土の色が徐々に変わっていく様子も見えて、深く溝を切っていく実感が得られました。また、エンジン音と振動からも硬盤を削っているときには耕耘機に負荷がかかっているのがわかります。興味深いのは場所によって硬盤の深さが多少違っているように感じられたことです。どういう理由でそのようになるのか、知りたいところです。
とりあえず、目標としていた 30cm は掘れたので、よし、と判断しました。臼井さんの話では、溝を切って一冬放置すると、凍結と解凍を繰り返してより硬盤が破壊されるそうなのですが、溝を切るだけでも効果はあるだろうと考え、今回はすぐに埋めてしまいました。
すき込む草の粉砕
6.5 馬力の粉砕機が届いたので、すき込む草を粉砕してみました。
上が粉砕前のメヒシバ、下が粉砕後のメヒシバです。スロットルの開き具合で多少粉砕サイズがコントロールできるようで、この写真よりも細かく粉砕できるようになったので、ほとんどの草はより細かく粉砕した後ですき込むことにしました。
これらの作業の効果がどれくらいでるのか、来年の生育状況が楽しみです。
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