2月の2週間、学校給食に人参とさつまいもを納品しました

2月4日~2月19日まで2週間、飯能市双柳給食共同調理場に黒田五寸人参とさつまいもを納品しました。

学校給食を変えたいなって思っていて、その第一歩としてお野菜を納品したいと思ったのでした。2018年5月に書いたブログ。
飯能市の給食を変えたいと思っています。週5回ごはんで、和食中心に。

地産地消を勧めている埼玉県、飯能市、そして双柳共同調理場

埼玉県では毎年11月を「彩の国ふるさと学校給食月間」として、地産地消を奨励しています。飯能市でも、飯能産の米、人参、大豆、ネギ、里芋、さつまいも、卵などを使用しています。

長男が精明小学校に通っているので、栄養教諭が毎日発行している「パクパク便り」を読む機会がありました。11月26日の献立は、
ごはん、牛乳、とりにくのレモン煮、おひたし、けんちん汁です。味噌は、市内の東吾野で手作り、レモンも市内、そして小松菜、、大根、人参、里芋が半径5km以内で育った食材だそうです。よく集めたなと感心しました。11月は、市内全校でお米は飯能産です。パクパク便りには、それぞれのお野菜の写真もついています。手間をかけてこどもたちに伝えてくれて、本当に素晴らしいです。

2月に人参77㎏、さつまいも28kg納品しました

地産地消に力を入れている栄養教諭がいらっしゃるので、さっそく1月上旬に「学校給食にうちの人参を使っていただけませんか?」とお電話しました。双柳共同調理場は600食くらいの規模です。電話でいろいろ確認して、1週間後くらいに畑に見学に来てくれました。そして正式に2月から2週間人参を納品することに決まりました。(すでに先輩農家さんが人参を納品していたので、割り込みする形になってしまいました。お詫びのお電話したところ、「いろんな農家さんが納品するのもいいと思うよ。大丈夫だよ」って言ってもらえました。)

2週間というのは小島農園でお願いしました。人参が足りなくなる可能性があったことと、毎日納品(朝7:30~7:45)は通常の宅配のある期間は難しいので、宅配をお休みしている期間にしていただきました。2週間で合計77㎏の人参、さつまいもは2日で合計28kgでした。人参の大きさはだいたい170gより大きいのが望ましいとのことでした。あんまり小さいと切るのに時間がかかるし、1つ1つの大きさが変わってしまうからだそうです。大きい分には問題ないとのことでした。今年は大きい人参が多かったので、これ幸いと大きい人参を納品させていただきました。1本400gを超える人参は個人のお宅では使いづらいので学校で使っていただけると嬉しいです。

いつもの出荷より手間に感じたのは、洗うことです。人参はいつも泥付きで出荷していたので、13kg洗ったときはさすがに手が疲れました。人参を洗う機械もあるので、もし今後も給食用の人参を納品することになるなら機械を導入しないとと思いました。

小島農園では、自然栽培で育てているために通常は黒田五寸人参を1kg500円で販売しています。学校給食では川越市場の値段をもとに発注しているそうです。2月は毎年少し安めで相場は280円だそうです。ちょっと悩んだのですが、学校給食に納品する体験をしたいので、少しだけ価格交渉させていただいて納品することにしました。さつまいもも、売りにくい大きなさつまいもを納品しました。ありがたいです。

2/15に納品した人参とさつまいも。人参が6.5kg、6.5kg、さつまいも18kg。この日が一番量が多かったです。

2/15に納品した人参とさつまいも。人参が6.5kg、6.5kg、さつまいも18kg。この日が一番量が多かったです。

人参の収穫のお手伝いに来てくれました!

2/11には5家族来てくれて、畑で遊んだり、人参を収穫したりしてくれました。170g以上で形のよいもの55㎏を学校給食用に選び、形の悪いもの、小さいもの合計13kg は、予約してくれた方に販売しました。手伝いに来てくれた人が持って帰る分が足りなくなって、余計に掘るくらいでした。

2/11 みんなで人参を収穫

2/11 みんなで人参を収穫

穴掘りに夢中の男の子たち

穴掘りに夢中の男の子たち

寒すぎる日だったので、焚火をしました

寒すぎる日だったので、焚火をしました

オーガニックではなく地産地消を!

飯能の給食をオーガニックにしたい!という声を聞くことがあります。今回、自然栽培の人参を納品してみて思ったのですが、次の4点に氣がつきました。
1.価格差約200円は、農家負担(大量に出荷できるので、妥当な価格差かもしれません)
2.配達コスト(毎日30分)も農家負担
3.有機野菜は飯能市では全量賄えないので、市外の野菜を使うことになる。
4.市外の有機野菜を使う場合は、価格差はだれが負担するか?

今、給食に納品している農家さんはみなさん、こどものためにという好意で毎朝納品していると思います。最後の資料にもある愛媛県今治市では、「農家がグループになって給食用の野菜を分担で納品し、それぞれの農家は月 3 回の配達で済む」というシステムになっているそうです。月に3回ならずいぶん楽かな。

オーガニックにこだわるより、地産地消を増やす方がいいのではと思います。

給食に納品しやすい野菜

大根、人参、さつまいもがいっぱい作りやすく、納品しやすいと思いました。里芋もいっぱい作れるのですが、洗うのが大変です。里芋洗い機を購入できたら、納品できるかな。

白菜やキャベツは、技術的に大量生産できないので今は難しいです。あんまり作るのが難しいので、白菜を1玉2kg800円で白菜を販売していますが、学校給食では2kgなら200円くらいです。その値段で販売できるくらい、いっぱい白菜を作れるようになりたいものです。

小松菜やほうれん草など葉物は、収穫時期を合わせるのが難しいことと、泥を洗うのが人参より大変なので難しいなと思いました。価格も手間がかかる割に安いので難しいです。

給食センターはやめよう!

飯能市は、自校式がほとんどで、精明小学校のように人数が少なくなってしまった学校だけ共同調理場になっています。西川、名栗、南高麗、原市場が小中共同調理場になっています。

双柳共同調理場で600食、小さい農家がお野菜を納品できる規模だと思います。2週間で77㎏。11月から2月まで4か月人参を納品するとしたら、単純に8倍して600㎏です。

川越の給食センターは1,1000食、8500食、3500食、3500食となっています。これでは地元の農家さんが納品する余地がなくなります。大きな機械が購入できて効率が上がるかもしれませんが、愛情とか手間暇かけることがどんどん失われると思います。

飯能市は素晴らしいなって思うのが、栄養教諭がいっぱいいることです。給食を作るところに1人ずついます。栄養教諭が献立を決めるし、材料を発注します。栄養教諭が頑張って、地元の農家さんやお肉屋さん、たまご屋さんとか探して注文してくれているんです。大きくなると、大きいところしか対応できなくなっちゃうんですよね。600人分の卵なら用意できるけど、給食センターになって4000人分だと用意できないかもしれないです。

学校給食に関する資料

学校給食について調べていたら参考になる資料がありました。学校給食を変えたいと思う人がいたら、一読することをお勧めします。

1つめは、愛媛県今治市の30年にわたる学校給食の取り組みです。27ページの大作です。
愛媛県今治市における地産地消の展開と有機農業

驚いたことに、今治市立花地区では、給食はずっと保護者が持ち回りで手作りしていたそうです。その関心の高さで、給食センターを作る話になったときに「それはダメ!」と保護者がつよく動いたようです。地元の有機農家さんも頑張ったそうです。

2つ目は、私の実家千葉県いすみ市です。
子どもたちの未来を支える有機米づくり ~学校給食全量有機米と食農教育のまちづくり~

有機農業研究会発行「土と健康」2018年6月号にいすみ市農林課主査 鮫田さんの寄稿がありました。

2017年に市の給食2300食すべて1年を通して有機米になった。値段が高くなった分(約400万円)は、市が補てんしている。

ここまで来るのには、兵庫県豊岡市や滋賀県高島市、愛媛県今治市、先進事例の調査を丹念に行い、現地に足を運んで、農家や政策担当者等の方たちから直接話を聞いて事業を組みたてました。」

「市役所内部からは当初、実現不可能とみられていました。財政的支援の必要性に加え、単に教育や農業、環境という縦割りの枠組みを超えた全庁的な理解が必要とされたのです。
 そのため、学校給食全量有機米の達成によって、いすみ市はどのようなまちを目指すのか、過去の経緯や全国、世界的な視野での事例研究も交えた政策研究を行い、レポートをまとめ、それをもとに関係課と念入りに合意形成を図っていきました
 子どもたちに安全、安心な食料を提供したいという根本的な願いに加え、関連の食農教育と合わせた食育効果、地産地消の促進、有機米産地化の推進、いすみ米や地域の認知度向上など、多面的な効果があることが提案の要旨です
 その結果、有機米導入量拡大に伴う追加費用は、産業振興上の観点から市が一般財源で負担し、保護者に負担増を求めないことになりました。こうして2016年も学校への有機米導入量が増え、ついに2017年の新米でいすみ市は、全国初の学校給食全量有機米を達成しました。2013年に農家3名、わずか22aで始まったいすみ市の有機稲作は、この時、23名、14haにまで拡大していました。

カテゴリー: 学校給食

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