農業を始める前に書いていた「飯能で半農」というブログに面白い記事を書いていました。
うっかり、古いブログは削除しそうなので、こちらに再掲したいと思います。
小児科医 真弓定夫さんの「自然流育児のすすめ 1987年 地湧社」を読みました。
現在、会員になっている「自然育児友の会」でよく講演などをしている先生です。
もう25年も前に書かれた本ですが、どの章も気になる記述ばかりです。
ぜひ、読んでみてください。
1.いまこどもが危ない(大きな子供は体が弱い、体温が低いことなど)、
2.食生活を改める(現代栄養学、添加物、白砂糖、牛乳など)、
3.生活全体を見直す(合成洗剤、自然な住居など)
4.病気を自然に治す
5.大人にできること
最後の話が、今の私にとても必要に思われ、書き留めておきたいと思いました。引用します。
子どもの未来を明るくするために
まず、できることから始める
私が小児科になって30年がたちました。30年前の子どもと、いまの子どもを、ひき比べてみる時、どうしてもこれから30年後のことをかんがえずにはいられません。今の子供たちのおかれた環境を考えると、このままでは、とても明るい未来は期待できないのではないか、というのが正直な実感です。
しかし、小児科医としての私の役割は、単に危機感をあおることにあるのではなく、何とかして微力ながらも現状に歯止めをかけていくことにあります。それには、お父さんやお母さんの自覚を促さなければならないのです。
”宇宙船地球号”という発想をした、バックミンスター・フラーと言う人が”諸々の汚染の中で、一番恐ろしい汚染は、消費者の頭の汚染である”と言っています。どんなに困難な外的な条件があっても、それを跳ね返すだけの確固たるものを消費者一人ひとりが持つことが大切だと言うのです。いまは、そういう認識に立つべき、最終的な段階ではないかと言う気がします。まわりの環境に問題がある場合でも、そのことを責めるのではなくて、まず自らを省みて自分の身近なところから変えていくような努力をすべきだと思います。一人ひとりがそういう努力をすれば、全体の環境も変わっていくはずです。
お母さんたちの中には熱心にグループで活動している人たちもたくさんいますが、グループ同士がなかなか結びついていかないように思います。子ども達ちの食べ物に非常に気を使っている人たちが平気で合成洗剤を使っていたり、合成洗剤追放に熱心な人たちが化繊の衣服を身につけていたり、個々の活動が孤立しているように見受けられます。
しかもその活動がなかなか一般の人達の間に伝わりにくいのが現状です。無関心な人たちにどう伝えていくかということが今後の課題であるといえます。いまは熱心な人たちがむしろ疎外されて言っているように思います。「子どもに市販のジュースやアイスクリームを食べさせないのはかわいそうだ」とか、「黄ばんだ下着を着ていては恥ずかしい」とか「何もそこまでしなくても」という感情が一般の人には根強くあるようです。当たり前のことをしようとする人達がかえって変人扱いをうけてしまうのです。
これは熱心さのあまり、その活動が包容力や寛容さに欠けたものになっていることに原因がある場合もあります。まず、相手の言うことを聞いて、今度は自分の信ずることを相手に伝えると言う謙虚な姿勢が、逆にその運動を伸ばしていくことになると思います。”継続は力なり”というように、すぐに結果を求めずに、あきらめずにコツコツと積み重ねていくことが大事ではないかと思うのです。一気に100%を望もうとするから、いつまでたっても、そこでストップしてしまうということもあるのではないでしょうか。
これはグループの場合だけでなく、活動の場を持たない一人ひとりのお母さんについても言えることです。いろいろなことに気がついても、それをすぐに完璧に実行しようとすると長続きせず、後もどりしてしまうことにもなりがちです。それよりも、むしろできることから徐々に改善していく姿勢の方がよい結果にむすびつくような気がします。週2回使っていた加工食品を一回に減らすとか、毎日使っていた紙おむつを外出する時だけにするとか、一人ひとりが無理なくできることから始めてください。
この世の中には悲観的にならざるを得ない要素はたくさんあり、ともすれば絶望的になったり、なやげりになったりしがちですが、最終的には、「のんきさ」が必要です。しかし、のほほんとした「のんき」ではなくて、考えに考え、それを一所懸命実行に移したうえでの「のんきさ」です。自分が最善を尽くしてもできないことが出てきた時に、「のんきさ」を持っていないと、ストレスになって結局自滅してしまいます。
とくに育児では、あまりに自分を責めることが多すぎてもいけません。できないことがあったら、一歩ひいてみて、またもう一度、押してみればいいのです。それでもだめだったら、「のんき」にかまえて、また同じことを別な視点からやってみればいい。とにかく、いつも「のんきさ」を忘れないで、次の世代のために最善を尽くしていただきたいと願わずにはいられません。
ちょうど、子育て支援センターでお昼ご飯に菓子パンを2歳児の子供に食べさせたり、コンビニのから揚げを出して「この子、肉食だから」と食べさせている親を見て、「食べ物の大切さを知らない人たちに、どうやって伝えていったらいいのか?」と悩んでいたので、こころに響きました。
ほかに、幕内秀夫さんの「粗食のすすめ」という本があります。この本を身近な人に配っていきたいと思いました。人に私の考えを伝えるにはこの本がよさそうです。
コメントを残す