よく、こども3人連れて配達行ったり、あっちこっち行くと、「こどもがいっぱいで大変ですね」と声かけられます。「えっ?」って思ってしまいます。こどもが3人いるのは日常で、あんまり大変だと思っていないようです。どちらかというと、楽しいことが多いです。
こどもが1人より断然楽!
こどもが3人というのも、大変さが少ない理由だと思います。1人のときよりは断然楽です。こどもは1人だと、「構ってー、遊んで―」と母に頼ってきます。母も構ってやらなきゃと思っちゃいます。でも、こどもが2人になると、構ってやれないときが多くなります。赤ちゃんのときから、「ごめんねー、待ってねー」と声かけながら育てると、構ってもらえない時間があるのが当たり前になります。
こどもが3人になると、ますますこども一人当たりのお母さん時間が少なくなります。生まれてきた子に、お母さんを譲りながら、少しずつ慣れていくようです。こどもたちは、勝手に遊ぶようになります。長男は、3番目の長女が生まれるとき、「大きい兄さんになるんだ」と言ってました。みんなを守らなくちゃという心ができたようです。本当に危険なことがあると、特別な声で呼んでくれるので分かります。小さい子たちも本当に危ない目にあうときは、激しく泣いたりして分かります。私は特に、ほったらかしても氣にならない性格で、夢中になって農作業をしたりします。こどもたちは、別々に遊んだり、一緒に遊んだりと、勝手に遊んでいます。ケンカすることも多いですが、それもだいたいほったらかしです。自分たちで解決できるなら、そうしたほうがいいかなと思ってます。
保育園に入らないおかげで、兄弟がもっと仲良くなる
家族みんなで畑にいるというのも、こどもが仲良く遊ぶのに適していると思います。こどもは親が近くにいて安心感があります。上二人の男の子はケンカすることもよくありますが、仲良く遊ぶことも多いです。ずっと一緒にいるというのが、兄弟の仲の良さが増す一因ではないかと思います。次男が生まれるときに、保育園の先生に聞いたことがあります。「せっかく赤ちゃんが生まれるし、育児休暇もとるから、保育園はやめたらどうかと思っています」と。でも保育園の先生は、長男の同じ組の友達との関係のことを大切にして、やめないほうがいいのではと助言してくれました。結局、次男が生まれてから、「お母さんと一緒にいる。なんで保育園に行かなくちゃいけないの!」という長男の思いのおかげで、保育園をやめることができました。
夫婦の関係もそうですが、農業をはじめて一緒にいる時間が長いと、お互いのことを考えないとケンカばかりになってしまいます。逆に、楽しい時間を過ごしたいと思っていると、楽しいことがたくさん見つかります。こどもたちも、幼い頃は一緒にいて、楽しい時間をたくさん共有することが、大きくなっても仲良くいられる基礎になるのではと思います。もちろん、性格があわない兄弟がずっと一緒にいるのは苦痛かもしれませんが、我が子たちは大丈夫のようです。
仕事場にこどもがいるって、本当に素晴らしいこと
こどもと一緒に農業をしていること、信じられない人が多いと思います。工夫次第でできるんです。そして、こどもは畑にいることで得るものがとてもとても大きいです。まずは、土、太陽、動植物など自然の中で過ごせること。1歳までは、本当によく土を食べるのですが、たくさんのよい菌を腸に蓄えてると思います。次に、自分が興味を持ったことに1日中専念することもできます。保育園では、時間が細切れになってしまいます。3歳くらいからは不要になるお昼寝の時間も畑にはありません。くたくたになって倒れるまで遊び倒すのも醍醐味です。
こどもと一緒に働いていると、楽しいことがいっぱいです。特に赤ちゃんは日々成長するので、それを見つける歓びがありました。今でも、「あ、○○ができるようになったね」と成長の瞬間をみんなで共有することができます。こどもが、畑ではキラキラと輝いています。
最近は、仕事に取り組む姿勢を見せること、うっかり邪魔して本気で怒られることなども、実はよい体験ではないかと思います。
小学一年生になった長男は、学校のストレスか1学期2学期まで情緒不安定な様子でした。配達のときも、お客さんの迷惑になることをして、叱ってもやめず。とうとう、お客さんが離れるという事態まで。小学一年生ではありますが、ことの重大さを真剣に話し合いました。今の世の中では、小学一年生には重荷かもしれませんが、商売をしている家ではこどもといえども、きちっとすべきことがあると思います。
もう一つの例は、育苗ハウスで広げて乾かしていた大豆です。お豆は面白いので、つい次男と長女が遊んでしまいます。長女は、散らかしてしまうので本気で怒ります。なんで幼いこどもを、こんなに怒っちゃうんだろう?と思ってあれこれ考えたのですが、それが仕事場にこどもがいるってことなのかなと思います。いつになったら、本気で怒ればいいのか?小学生?中学生?私は、幼いときからでいいと思います。親が真剣に仕事をしていて、何をするとダメなのか、何をすると喜ばれるのか、いろいろやりながら知っていくのかなと。親がどれだけ真剣に働いているかを日々見ること、それは親を理解すること、そして働くこと、生きることを考える力になるのではと思っています。
学校という社会で学べることも多いですが、濃密な「家族」という社会でしっかり理解しあい支えあうことが、生きていく力になると思います。と考えていますが、大きくなったこどもたちが、この畑暮らしの幼少時代をどう思うか?ちょっと怖いです。
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