たねのわ主催で「ヴァンダナ・シヴァのいのちの種を抱きしめて」の上映会をしました。
ヴァンダナ・シヴァさんのプロフィールはこちら。
1952年インド生まれ。環境活動家、科学哲学博士。カナダやインドで量子力学や生態学を学ぶ。有機農業や種子の保存を提唱し、森林や水、遺伝子組み換え技術などに関する環境問題、社会問題の研究と実践活動に携わる国際的指導者。
石灰岩鉱山の環境調査をきっかけに故郷デラドゥンに戻り、研究と連動した社会活動の拠点として「科学・技術・自然資源政策研究財団」を設立。さらにヴァンダナは、有機農法の研究と実践、普及活動のためのネットワークとして、NPO「ナヴダーニャ(9つの種)」を立ち上げた。デラドゥンにあるナヴダーニャ農場では、630品種にも及ぶ米や多品種の麦、雑穀、野菜、ハーブなどを栽培し、種子を採種・保存するほか、個々の地域にあった伝統的な種子に関する知識を集約、それらをすべて農民たちに提供している。種子の一部は、首都デリーのオーガニックショップでも販売されている。
2年前に「モンサントの不自然な食べ物」という映画を見て、ヴァンダナ・シヴァさんを知りました。農民のために戦う力強い女性、そのときから、私の一番尊敬する女性です。その後すぐに、この映画が作られました。去年、たねのわの活動がはじまって、今回上映会を開催することになったのです。私にとって初めての上映会の主催です。どんな人が来てくれるかドキドキでした。
上映のために2回試写しました。ヴァンダナ・シヴァさんのたくさんのメッセージが58分に納められています。15の場面に分かれていて、1つを理解しようと思うと、次がはじまるので、1回目には理解しきれませんでした。DVD付属の本で詳細を知って、もう1回映画を見て、ようやくヴァンダナ・シヴァさんの思いを受け止めることができました。ヴァンダナ・シヴァさんの思いの大きいこと!2年前は、「多国籍企業を相手に、農民のために戦う姿」に感銘を受けたのですが、この映画では「深い愛」を感じました。そして、私たちが農業をはじめて感じていること、実践していることにとても近いです。
映画の中のたくさんのメッセージの中から、いくつか選んで紹介したいと思います。
モンスターのような多国籍企業が、世界を自由に操っている今(グローバリゼーション)の世の中で、人の意識は委縮してしまっている。一人一人の存在の意味が薄れてしまっている。そうではなく、一人一人が日々の暮らしに歓びを感じることが大切。それは、昔ながらの地域を大切にしたローカリゼーションの中にこそある。小さな社会では、あなたがいて、私がいる。一人一人が大切。小島農園で大切にしている、顔が見える関係、毎日の暮らしに幸せを見つけることにと同じでした。
農業をはじめて、食の大切さを知りました。子育て支援センターで出会うママたちをみて、伝えたいことがいっぱいあり、どう伝えようか?と模索していました。そして身近な人から、畑に来てもらって感じてもらうことを選びました。農業をはじめて3年間、毎日の暮らしにたくさんの歓びがあることに氣がつきました。畑にいるだけで心地よく、作物を育てるのも楽しく、こどもと共に生活し、こどもの成長を楽しめる。ヴァンダナさんが言っているように、畑は生きる歓びに満ちている。たくさんの人に、この生きる歓びを知ってほしい。氣がついてほしい。小島農園の方向は間違っていないと感じました。
地域の大切さも、農業をはじめてから強く感じています。畑のある精明地区には、「精明地区を元気にする会」というのがあり、もう13年くらいコスモス祭りを開催するなど活動を続けています。平松地区では、夏と冬にお祭りがあり、地元の方たちが集まります。失われつつある地域の絆を感じ、嬉しく頼もしく感じています。夫が消防団に入っているおかげで、団員仲間の農家、地元の大工、造園屋さんとは深く語れる仲となり、自治会や後援会など地元のたくさんの人とつながりました。例えば、地震や火事など有事の際に、やはり近所、地元の人との連携がとても重要になってきます。地元の人とのつながり、大切にしたいです。他にも、お野菜をお届けしているお客様、農家仲間とのつながりも深まって、心があたたかくなります。ヴァンダナさんの映画でよく出てきた「思いやり」、心の遣い方をこれから深めていきたいと思っていたところです。
上映会のあとで、参加者で集まり自己紹介と映画の感想などを共有する場を持ちました。農家、たね屋、編集者、会社員で家庭菜園をしている人、レストランのオーナーシェフなどなど、いろんな立場の人がいて、いろんなメッセージを受け取ったようです。自分の思いと共通していると感じている人が多かったのも嬉しかったです。「つながりが大切」と受け取った人もいました。1回では理解できないから、DVDを買って何度も観てみたいという人も何人かいました。
今、世界がどう動いていて、私たちはどの方向に向かいたいのか?それを考えるために、とてもよい映画だと思います。今回に限らず、また機会をつくって上映会をしたいと思っています。興味がある方、DVD購入して何度も見るのもお勧めします。
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