農業で夫婦仲が良くなる

農業をはじめて、以前よりも夫婦仲が仲良くなったと感じるこのごろです。会社員時代(二人で同じ会社にいたことがあります)を知っている人には、「え、仲良かったじゃん?」って言われるほど、もともと仲がいいです。

もう10年くらい前、二人で同じ会社で働くことを考えたとき、「ずっと一緒にいて大丈夫かな?」って思ったのを覚えています。でも、ちょうど会社の代表と副代表がご夫婦で、とてもいい感じで仕事をしているのをみて、こんな感じならできそうって思いました。懐かしい。

農業をはじめるときも、同じ目標に向かって、二人で力を合わせてやっていこうと思いました。でも就農1年目、最悪の仲になりました。星の王子さまのように「同じ方を向いている」と思っていたのですが、同じ目的を持っていても、そこにたどり着く方法が違い過ぎたのでした。私は間に合わせるのが得意、丈ちゃんは時間がかかってもしっかり進める。例えば、初めの仕事は桑畑の桑を全部抜くこと。畑に重なっているたくさんの枝と、抜いた桑をどうすべきか。「時間がかかるから燃やすしかない」という私と、残して後で利用したい、そして燃やした後の肥料分が氣になる丈ちゃん。忙しいと言葉はきつくなり、怒るとますます会話が成り立たなくなる。「農業なんてはじめるんじゃなかった」と何度思ったことか。農業は二人で行うもの、他人のせいにすることもできず、逃げ場がない。

2年目は、「分業する」ということで、ひとまず落ち着きました。何度か本気で話し合ったこともあり、私の何が問題なのかも分かってきました。そのつもりがないのに、私の言葉が丈ちゃんを傷つけてしまっているのには驚きました。夫婦が仲良くするためにはどうすればいいのかと本気で探しました。「尊敬」が一番かもしれないと思いました。私の両親は仲良しで、母は7歳年上の父を尊敬しています。この時期、仲の年配のご夫婦を見かけると、このご夫婦はどうして仲がいいんだろう?っていろいろ考えたりもしました。

明らかな変化が現れたのは3年目です。農業の経験を積んだことも大きいと思います。農作業の手順が分かってきて、農作業が遅れることなどの焦りが少し減りました。そして、2年間で丈ちゃんの素晴らしいところをいっぱい見つけたのでした。農業は力仕事もたくさんあります。力強い丈ちゃんはすごいなと思います。こども担当で、あれこれ工夫してこどもを楽しませるのも功を奏し、こどもが勝手に畑で遊んでくれます。さらに、よく調べ、ビニールハウスや倉庫など、難しそうな構築物を作ってしまいます。私ができないことがいっぱいできます。そうそう、深夜にいつの間にか便利な収穫出荷表を作ってくれたり、そこから納品書を生成するプログラムを作るなど、ありがたい機能をいつの間にか作っちゃうのもすごいところです。

農業は、一人ではできないことがたくさんあります。「ちょっと手伝って」と、二人で力を合わせることがたくさんあります。イベントをするとき、栽培に関して考えるとき、営業について、あれこれ考えて相談するのですが、丈ちゃんの答えはいつも的確。こういうのが積み重なって信頼が深まってくるんだなと思いました。

日々、楽しく過ごすための努力を惜しまない丈ちゃんの心遣いもにくいです。以前に紹介したことがある丈ちゃんの言葉を再掲。
2015年5月のブログ「幸せな考え方」より

先日は、泣かせてばかりの赤ちゃんがかわいそうだと、途中で散歩してみたり、遊んでみたりと、赤ちゃんタイムも大切にしながら農作業していたら、やりたいことが全部終わらずに、「うーん、もっとやりたかったのにー!」という状態になりました。そのときに、「遅くなったのは、Nちゃん時間を大切にしていたからでしょう。赤ちゃんがいるのに、ここまでできたと思えば、ここまでしかできなかったと思うより、幸せになれるんじゃないの?」と言われて、その通りだと思いました。

最近、もう一つヒットした言葉があります。私たちの時間は限られているから、「嫌なことを考える時間を減らして、楽しいことを考える時間を増やしたほうがいいのでは」ということです。どうも小島農園のお野菜セットお届けに合わないお客様がいて、お電話するたびに残念な氣持ちになっていました。「お客様への販売をやめる」というのは、よくないことではないかと思いつつも、そのために毎回氣持ちがなえるのも困るので、販売をやめることを連絡することにしました。こんなことを提案してくれる丈ちゃん、ほんと偉い人だと思います。大学生の私、よく見つけました。出会えました。

いつも家族が一緒だから、家族が仲良く暮らすことについて考えます。一緒にいるためには、相手のことも大切にしないといけない。よく、長男が自分勝手なことをやらかすのですが、「相手のことを考えて!」と言ってます。一緒にいないと、相手のことを考える時間も少ないかもしれません。小島家では、長女と次男はいつも一緒。一緒にいることで、何が嫌なのか?何が好きなのか?小さいながらもいっぱい分かると思います。夫婦もいつも一緒がいいんだと思います。農業や個人事業おすすめですよ。ついでに、そばにこどもがいるのもおすすめですよ。みんなが、仲良くなるように工夫して暮らすことで、家族がかけがえのない大切な存在になります。

北海道の秋葉農場の秋葉和弥さんの言葉が響きます。「機会があって、家族と家族の健康を一番大切とする農業を選んだのだから、どんな苦境がきても、大切なものは守っていると心を強くしていること。」私たちが大切なのは、家族です。10年後も、20年後も、仲良し夫婦、仲良し家族でいたいなって思ってます。まずは元気で長生きかな。

カテゴリー:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*