東京の瑞穂町に、自然栽培をしている「いがき農園」さんがあります。今年で農業8年目、我が家と同じ年頃のお子さんが2人いて、宅配をメインに販売されています。いがきさんは、石油由来の農業資材(グリーン支柱や黒マルチ、ビニール)などを使わないようにしています。支柱は竹をホームセンターで購入しているそうです。冬と春に、葉物の上に不織布を掛けますが、それ以外は、ほんと資材なし。不織布を止めるのも、畑に埋まっていた大きな石を利用しています。
この春、小島農園では先輩農家さんがマルチャーもってきてくれ、あちこちに黒マルチを張ってもらいました。あんまりにも楽ちんだったので、「マルチャーほしい」と思ったほどです。夏に育つ野菜は、草に負けないように草取りするのが本当に大変です。黒マルチを張ると、その分だけ草取りの手間が減るのでつい頼りたくなります。その上、マルチで温度が高くなり、水分も保たれ、作物はぐんぐん育つというおまけつきです。が、この資材に頼っていいのだろうか?いつまで頼るのか?毎年葛藤しています。ということで、今年もいがき農園さんにお邪魔して、「マルチあり」にぶれている心を「マルチなし」に戻してみたいと思ったのでした。
今回は下の2人のこどもも一緒に、家族4人で伺いました。小川町の横田農場の研修生Aさんもご一緒しました。いがきさんは、今年久しぶりに奥さんが畑に復帰です。お子さんが小学校と保育園に入ったそうです。しばらく1馬力(旦那様だけ)で仕事していたのが、2馬力となり、「今年はトマトの苗を小さいうちに、横植えしないで植えられました」とおっしゃっていました。
育苗ハウスを拝見して、「あ、玉ねぎの種採りしている」と氣がつきました。小島農園でも、この冬の玉ねぎの種採りはハウスでしようかなと思いました。ちょこちょこしたことが、やっぱり他の方の畑を見学すると氣がつきます。3年前にいがきさんの畑に来て、育苗ハウスを2重にすることを知りました。2重ハウスは本当に便利です。
いんげん豆の支柱も「あっ」と氣がつきました。縦の支柱を横に繋いでいるのが畳の縁紐を使っていました。ちょっと触ったところ強度もバッチリです。小島農園では横に連結するのも支柱を使っていますが、「これはいい!」と思いました。畳屋さんに連絡してみないと。
この日は風が強かったです。畑では風速10mとかあったかもしれません。こんな日にお邪魔してご迷惑おかけしました。みんなでネギの除草をしながら、あれこれお話ししました。一番驚いたことをご紹介します。3,4月だけ宅配をお休みして、それ以外は毎週2回、常に出荷をしているそうです。お客様との連絡が大変なので、それよりは野菜を切らさないようにしているとのことでした。ゆうパックでお届けしているお客様に連絡するのは、5月に宅配を再開するときの連絡と、年賀状くらいとのことでした。そのほかは、宅配の中にお便りを入れたり、お客様が振り込むときにメッセージを書いてくれたりするそうです。小島農園とは、真逆?くらいで驚きなのです。私は、お客様に毎回連絡するのをとっても大切にして、深夜に寝る間を惜しんで出荷連絡をしています。お客さんとのやりとりが楽しいし、小島農園を好きになってもらいたいと思っています。お客様と密に連絡するには、現在の約50件より増やせないと思っていたほどです。
お野菜の宅配も、年間通して販売できない一つの理由が、栽培に専念したい時期があるからです。2月~5月までは、春夏野菜のための畑の準備、苗づくり、苗の定植などが忙しいです。9月も秋冬野菜の作付が忙しいです。この時期は、夏や冬と同じように出荷にたくさんの時間をかけるのは難しく、不定期便になったり、近くのお客さんに配達したり、お客さんに収穫に来てもらったりしています。「出し続けること」は、いがきさんの才能だと思います。なかなか真似できません!
4月の菜花が終わったあと、小島農園では自家用の野菜もなくなります。でも、いがきさんは、「5月は葉物が結構売れるんですよ」とおっしゃっていました。井垣さんは、羽村市の福島屋さん(車で10分!)にもお野菜納めているそうで、5月の葉物(小松菜、チンゲン菜、山東菜、カブ、ラディッシュなど)を頻繁に出荷したそうです。キャベツやレタスもいいなと思いました。お野菜が少ない5月6月に出荷できます。キャベツは、モンシロチョウの幼虫に食べられやすいのですが、それも防虫ネットなしで栽培していて本当に驚きます。
もう一つ、みなさんが驚く情報です。井垣さんは、連作しています。2013年にはじめて伺ったときと同じところに、毎年同じ野菜が育っています。少しずつ育ちが悪くならないのかな?と毎年氣になっているのですが、今のところ、毎年育ちがいいものと悪いものがある(小島農園でも天候などにより、よく育つ野菜と育たない野菜があります)くらいで、連作による影響を感じていないようでした。PHを毎年測っているそうで、これまた驚くことに、6.5くらいだった畑が7になってきているとのことでした。普通は、雨などにより酸性(数が減って6とか5とかに)に傾くと言われています。
あら、まだまだ驚くことを思い出してしまいました。井垣さんは、野草が生えていることが多いそうです。刈払機などで除草したあと、その草をどかして、耕耘して、すぐに種まきしたり苗を植えたりするそうです。草の根っこが悪さしないのかな?すごいなー。と思いました。小島農園では、去年の春に、ちょっと大きくなりすぎたライ麦を刈って、上部をどかして、トラクターで耕耘して、トマトやさつまいもを植えましたが、育ちが悪くて失敗した―と思ったのです。野草が生えている時期が長いことが、連作Ok、PHが7に近づいていることに関係しているのでしょうか。面白い畑だなと思います。
井垣さん、丈ちゃんのこども対応に関心を持ってくれました。井垣さんの反応を見て氣がつきました。就農当初から、丈ちゃんがこどもを大切に大切に、かなりの時間を費やしてきたおかげで、こどもが畑にいることが「楽しい」と思ってくれているのだなと。私は、仕事優先で邪険にすることが多いのですが、丈ちゃんは「こどもが楽しく」を大切します。こどもがいると、畑仕事が進まないことも多いですが、なにより楽しいし、畑からこどもが得ることも大きいと思います。
お手伝いに行こうと思ったのに、お昼ごはんはご自宅に招いてくださり、うどんをごちそうになってしまいました。ゆっくりおしゃべりしてしまい、大人3人で10時から16時までいたのに、どうにかネギの除草を完了したくらい。ご夫婦で1日働いたらもっと仕事できたかも?という状況でした。お邪魔しました。たくさん勉強させていただきました。また来年も伺いたいと思っています。
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