化学物質過敏症 事例5.宅配便の配達員さんの匂いが発症のきっかけ

飯能市内のお野菜のお客様に化学物質過敏症のお客様がいます。Gさんと呼びます。
(Gさんに許可をいただいてレポートを書いています。)

Gさんの家は山奥にあり、配達に行くときはシカやうさぎに出会うことがあります。Gさんは、建物の防腐剤などに弱かったので、山の中に家を建てるときは天然素材を使いました。Gさんは、2013年に農業を始めたころからのお客様で、初めのころは田んぼや畑によく来てくれました。ある日、畑の近くの板金屋さんのシンナーの匂いで体調が悪くなり、すぐに家に帰ったことがあります。

5年ほど前、宅配便の配達員さんがとても(柔軟剤かなにかが)匂ったそうです。翌日もまた強い匂いの配達員さんが来て、そこから化学物質過敏症を発症したそうです。それまでも柔軟剤の匂いは「嫌だな」と思っていたそうです。今は柔軟剤など人工香料の匂いを嗅ぐと頭が痛くなるし、一日中寝込むこともあるそうです。

外出のときは、においを消す活性炭マスクを2つ重ねて、さらに不織布マスクをしているけれどまだ匂いがするので、頭が痛くなることがあるそうです。犬の散歩をしていても、近所の人に会うと匂いがするそうです。スーパーでも郵便局でも匂いがして頭が痛くなるから大変だそうです。

山の奥に住んでいるのに、さらに奥に住む人がいて、洗濯の水やお風呂の水が川に入り、川から洗濯の匂いやお風呂の匂いがして外に出れなくなるそうです。(川からは100mは離れています)

知り合いには、「気にしすぎ」とか「頭がおかしいんじゃないか」と言われるそうです。

旦那さんが倒れたことがあり、救急車が来てくれたけれど、救急隊員が匂っていたので、頭が痛くなり救急車に一緒に乗ることができなかったことがあるそうです。公共の場で働く方には、特に匂いをさせないでほしいそうです。

Gさんのうちに、私たちが配達に行くととても喜んでくれます。「小島さんは匂いがしないからうれしい」と言ってくれます。

思ったこと

化学物質過敏症は、できるだけ被爆(化学物質に出会うこと)を避けることが大切です。Gさんは、毎日のように隣家の方の匂いに出会ってしまうので、なかなか改善できません。車や家の中には、空気清浄機を置くようになって少しよくなったそうです。

Gさんがある日、うちで開催している味噌づくりに来てくれました。匂いがない方を集めたのですが、お連れのお孫さん(同居していない)が柔軟剤の匂いをまとっている方がいました。お孫さんはまだ外にいて、お孫さんと一緒に車に乗ってきたHさんが部屋に入った時、Gさんが一呼吸しただけで、「私、ダメだ。帰ります」といって、すぐに帰ることになりました。車に同乗して匂いが移った人が部屋に一歩入っただけで、ごく微量でも、首の後ろのあたりがすごく痛くなったそうです。その日、どうにか家まで帰り、あとはずっと寝込んでいたそうです。

Gさん、匂いのためにいつも大変な状況になってしまい、かわいそうだーと思います。山奥に住んでいても、匂いに曝されてしまうのがとても残念です。いつか化学物質過敏症が治りますように。

小島家でも、おいしい空気を吸いに山登りをしていても、すれ違うハイキング客が匂うと、臭くて息ができなくなります。「空気がきれいな場所」と思っているから、そんな場所で柔軟剤の匂いに出会うと心のダメージがとても大きいです。

柔軟剤、本当に匂いなしになってほしいです。
最近は、ホッカイロも匂い付きがあると知って驚きました。

柔軟剤の匂いが嫌いな人、結構多いんです。

カテゴリー: 化学物質過敏症

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