季刊誌 「自然栽培」の紹介と、食べ物について思ったこと

2014年12月創刊の季刊誌「自然栽培」をご存知でしょうか。
農からはじまる地球ルネッサンス 自然栽培

なんとvol.5 新規就農特集では、小島農園が取り上げられています。
「自然栽培」 バックナンバーvol.5 特集記事

私が特に面白いと思ったのは、vol.7の「食」です。
バックナンバーvol.7 特集記事

いろいろ興味深い記事があります。その中でも、「医者の目 科学の目 なにを食べるのか その選択が体をつくる」です。

「循環を保った昔ながらの食べ方。それが長寿につながる」という章で、三橋寛先生が奥能登の長寿率が高い地域の聞き取り調査をしたそうです。

輪島市の町野町井面、空熊町、門前町白禿の3集落で、それぞれ高齢の女性に聞き取りをした。女性たちは生活習慣病がほぼなく、生活も自立している。また、主食は白米だが、小麦や肉類、加工食品、外食を食べる機会はほとんどないそうだ。代わりに毎日、味噌汁、大豆製品、野菜、海藻をよく食べる

記事には、小島麗逸さんという経済学者の研究が出てきます。(小島麗逸(2013)中国の伝統的食文化の変化、日本貿易会月報598:20-25より改変)
食事変化パターン

第1段階

雑穀・芋類が減り、その分米・小麦がふえる(1925年ごろから)

主食の中で、米が減り、小麦が増える

第2段階

米麦などの主食の割合が減り、副食が増える

第3段階

動物性たんぱく質の増加

アルコールの増加

第4段階

食の簡便化

農業をはじめて、野菜がいっぱい採れるので、ほとんど買い物に行くことがなくなり、肉魚を食べなくなりました。畑で採れる野菜をもりもり食べてます。先輩農家の自然栽培のお米を食べるようになりしました。昨秋からは、自分のお米を食べれるようになりました。第1段階にあるように、芋を食べる割合が増えました。里芋、さつまいも、じゃがいもも。おいしいんですよね。雑穀もよく食事に取りこんでいます。

野菜中心の暮らしになってから、體があったかくなったのも興味深い現象です。冬は寒くて厚着していたのに、足は靴下をはかないとだったのに、今ではかなり薄着で平気になりました。体温が低いと体の免疫が下がるので、体温が上がったのはとってもありがたいことです。先日書いた「畑で月のリズムが整い、小島家に長女がやってきた」も基礎体温が上がったことが関係しているかもしれません。

肉魚を摂取しなくて大丈夫?と思う方がいると思います。それに関しても、明治期に日本に来たドイツ人医師ベルクの飛脚の実験が有名です。次の本にも書かれているそうです。

「食と栄養学の社会史1」高木和男著 丸善 
相模女子大学教授(1978年)
(低たんぱく質食推奨の説)p298

日本に、外国人講師として東京大学の前身、東京医学校に1876年(明治9年)に招かれ、生理、病理、内科、婦人科を講じ、主として内科を担当したドイツ、チューリッヒ、ライプチッヒ大学の出身ベルツ(E.Balz1849-1913)は、日本にいた1905年までよく日本人の生活を観察したが、この一つの記録に次のようなものがあり、(Berlin Klin. Wochenschrift №26 1901)に報告されている。これは日本の中外医事新報516号(明治34年9月)に抄録してある。これによれば、ベルツらが日光見物に行ったとき、乗って行った人力車二台は早朝上野を出発して日光街道をひた走り、110キロメートルあるところを14.5時間で、日光に到着したと述べてきる。この間を馬車で行けば、6回馬をとりかえるか、または途中で一泊しなければならず、現に当時日本にいたモース(Mors大森貝塚の発見者)は一泊して日光に行っている。
この日本人車夫の耐久力に驚いて、ベルツは車夫の食事を調べたところ、粗食でたんぱく質はフォイトの基準の六十パーセント~八十パーセントの間にあって、多量の米、ジャガイモ、大麦、粟、百合根が主であったと記している。この車夫は二十二歳と二十五歳であったが、この車夫を雇い上げて、八十キログラムの男子を乗せて一日四十キロメートルを走らせ3週間つづけたのに、一人は体重の増減なく、他は五百グラム増加しておった。そこでこの車夫に肉を食べさせて、フォイトの基準のたんぱく質を摂らせて、同様に走らせたところが、疲労して走れず三日にして肉食を辞退したので、もとの食事に復して、前同様に走ることができたという。このベルツの報告は当時の日本語訳からのものであるため、十分でない点もあるが、耐久力について穀物食の優秀なことを示すことは事実であろう。

車夫といえば、バングラデシュのリキシャワラ(自転車型の人力車をひく人)を思い出します。お米がメインの質素な食事で、よく働きます。雨の日も濡れたままリキシャをひき、體からは湯気がでるほどです。「使用人のご飯」と見せてもらったのは、洗面器のような器にいっぱいのお米と、少しの玉ねぎと唐辛子と塩。豆のスープがあればごちそうだそうです。

粗食と言えば、「粗食のすすめ 幕内秀夫」もおすすめです。牛乳や砂糖をなんでやめたほうがいいのか?分かりやすく書いてありました。
マイ ライブラリ マイ履歴 Google Play の書籍 粗食のすすめ実践マニュアル新版(プレミア健康選書): 食生活改善のための指針

「自然栽培」の食の号にも詳しく書かれていましたが、どうやら農薬や肥料を与えない自然栽培だと、野菜の抗酸化力が高くなるそうです。私たちは、おいしいから作って食べているのですが、それがまた體(からだ)にいいとは嬉しいですね。

體を作る食べ物、元気の秘訣ですね。ちなみに、食べ物だけでは病は治らないとも思っています。「必ず治る」と思う心や、毎日の小さな幸せを見つけて、楽しく暮らすことだと思います。

カテゴリー: 我が家の食卓

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