2019年精明地区にイノシシ初出没、飯能での鳥獣と人間の共生を考える

川崎にイノシシ出没!

2019/6/29 夜、お隣の普門寺さんから電話ありました。敷地内でイノシシに遭遇したそうです。
このときから、イノシシの平松、川崎、下川崎地区への徘徊がはじまりました。
数日後、イノシシが平松にある畑のスイカを全部食べたと聞きました。

2019/7/8ごろ、小学生が下校する15時近くにイノシシが出没したので、「気をつけて帰るように」と先生がこどもたちの下校に付き添ってくれていました。

2019/7/10には、かめの畑でイノシシの跡を発見しました。種採り用のズッキーニがあったはずのところになくって、おかしいなと思ったらちょっと離れたところに食べ散らかされていました。よく見ると、空芯菜が2株掘り起こされ、ナスの高畝が踏まれて穴ができていて、他にも足跡がありました。

食べられちゃった種採り用のズッキーニ

食べられちゃった種採り用のズッキーニ

ほじくられた空心菜

ほじくられた空心菜

マルチに深く残るイノシシの足跡

マルチに深く残るイノシシの足跡

マルチに開いた深い穴

マルチに開いた深い穴

農業振興課に連絡したところ、鳥獣対策室があって、そこで状況を報告しました。わなを張ってはやく捕まえたいとのことでした。

同じ頃に近くの知り合いの農家さんのスイカが全部食べられちゃったから、もう片付けてうなったと聞いたり、他の方のさつまいも畑がほじられたとききました。あちこちでイノシシの被害が出ました。

しばらくイノシシの被害がなくなったと思ったら、2019/8/16 またカメの畑に足跡発見!今度は瓢箪の種採りが食いちぎられていました。

種採り用の瓢箪がイノシシにかじられてました

種採り用の瓢箪がイノシシにかじられてました

イノシシがキュウリネットの下で転げまわったみたい

イノシシがキュウリネットの下で転げまわったみたい

また、鳥獣対策室に連絡しました。その後、2,3回頻繁にカメの畑の近くを通っているようなので、罠を個々の近くに張ったらどうかと連絡したところ、カメの畑を見に来てくれました。

実家のある千葉県いすみ市とイノシシ

私の実家は、千葉県いすみ市にあり、小さな森と田んぼがいっぱいある。森は勝浦・大多喜の山につながっていて、イノシシが出るようになった。竹林も近くにあり、子どもの頃によく父と筍掘りに行っていた。「イノシシに先を越されるからタケノコはだめだ」と聞いたのは5年くらい前からかな。10年か15年くらい前、森の中を散歩していたら人家の近くに檻があってびっくりした。イノシシの罠だそうだ。

3年くらい前から、家の前に広がる田んぼに電気柵が張り巡らされた。そこまでしないとお米が食べられたりしてしまうのだろう。道路をイノシシの親子が走っていることもあるそうだ。

近隣のイノシシと農作物の被害

去年、小川町の知り合いの農家さんが、収穫して乾燥するために積んであった大豆をイノシシに食べられたと聞いた。種播き、草取り、刈り取りまで終わり、あとは脱穀だけだったのにとても残念。もう一軒の農家さんは、夜10時ごろに毎日爆竹か花火で音を出していたら去年は被害がなかったそうだ。

日高市のくるくるネットという団体でも、一昨年大豆をイノシシに食べられてしまったとのこと。山が近いとイノシシの被害が多く、お米や大豆が被害に遭って大変だと思った。

イノシシを捕獲したいと動いたら、罠師のNさんに出会う

イノシシが私の畑のある地区にも出没するようになり、秋のお米や大豆がとても心配になった。秋までに徘徊しているイノシシを捕まえられないか。飯能市の農業振興課に連絡すると「鳥獣対策室」があるとのことで、7/8の被害を報告した。スイカの被害が出た平松で罠を張っているとのこと。

8/16に被害が出たときに、もう一度鳥獣対策室に連絡したところ、今度は畑を見に来てくれた。以前農林課にいた方だったので話しやすい。話をしているうちに、地域で罠猟をしているNさんが軽トラで通りかかり30分以上立ち話をした。Nさんは、この夏宮沢でイノシシを6頭も捕まえたそうだ。久須美でも一頭。イノシシの動きも把握していて、今大きいのは日高にいるとか、小久保にも出てるとか言っていた。うちの畑に出ているのも把握していたのでびっくりした。いろいろ話を伺って飯能の野性動物たちのことを、本当によく知っていらっしゃるんだなと思った。市役所の職員さんもNさんの技術を素晴らしいと言っていた。

後日、Nさんを訪問して話を伺ったことを飯能の皆さんに知ってほしい。
1.山のイノシシやシカは減っている
2.山には黒い木(杉やヒノキ)ばかりになり、売れなくなって手入れもされず、イノシシやシカが棲めなくなっている
3.餌を求めて里山、里に出てきている。今までいた原市場などでは、餌になる作物を作らなくなったので、もっと平野部に出てきている
4.このままだと10年後には、精明地区でもイノシシやシカがいっぱい出てくるようになる
5.杉やヒノキの山を、雑木(紅葉、ケヤキ、どんぐりなど)にして、イノシシやシカの保護区をつくるべきではないか
6.保護区のイノシシやシカが増えすぎた場合は、狩りして個体数を管理する
7.猟師が減ってきている
8.自分の土地は自分で守るのが基本。電気柵などで囲う。

Nさんは、いつも自腹で猟をしているそう。夏場のイノシシは2時間で腐敗がはじまるそうで、解体せずにビニールシートでくるんで段ボールに入れてクリーンセンターに持ち込むそう。お金にはならない。罠をしかけるときは、毎日罠を確認して、餌も都度補充する。さつまいもやかぼちゃなどだそうだ。1週間に1回だけ罠を確認して餌を補充する場所には、イノシシも1週間に1回しか来ないそう。毎日のさつまいもとかぼちゃの代金を考えただけでも結構お金がかかりそうだ。

埼玉県の狩猟期間は決まっていて、11月15日~2月15日だそうだ。それ以外で獣害がでたときは、環境緑水課に被害届を出して、猟師さんが狩猟の申請をする必要があるそうだ。この場合、被害現場1か所ずつ申請をする必要があり、イノシシはあちこちに出没するので大変らしい。鳥獣対策室にいる方から聞いたけれど、吾野地区では4地区合同で狩猟の申請をしていて、地域全体で罠を張っているらしい。Nさんから聞いたところでは、吾野地区では自治会費から罠を購入したり、自治会のメンバが自費で狩猟免許をとったりしているらしい。

精明地区でも、吾野地区のように地域で狩猟の申請をできれば、Nさんがイノシシの動向をみながら捕まえやすいところに罠を張れるようになる。

野生動物との共生

「Nさんが、山にイノシシやシカの居場所がなくなったから、また雑木を増やす必要がある。」と教えてくださったので、「野生動物との共生」について全国の試みを少し調べてみた。

山村地域住民と野生鳥獣との共生

東京都檜原村の例があった。

(野生鳥獣と人間(地域)が共生していくためにはどのようなことが必要か?どうすべきか?)

 野生鳥獣と人間が共生していくために必要なことは、住み分けであると思われます。人里(人間社会)に野生鳥獣が来たら、人が徹底的に山へ追い払ったり、人に危害を加えたり、または、疹癖等の病気に感染しているような個体に関しては、駆除を行なう必要があます。また、戦後の拡大造林により山林の多くは、人工林(特に杉・檜等の針葉樹)となり、山の木の実等が減り、エサ不足であるため、木の実を多く成らせる広葉樹を増やすことも必要であると思われます。しかし、地球の温暖化により越冬しやすくなり、肉食動物の絶滅した日本では、野生鳥獣は爆発的に増加している傾向にあり、追い払いや山のエサを増やすだけでは住み分けは行えない状況です。住み分けを行うためには、狩猟や駆除を行ない適切な頭数管理を行うことが重要です。

飯能全体で考えることが必要

今まで、名栗や原市場でイノシシ、サル、シカの被害を聞いても、山だからしょうがないって思ってました。でも、自分の畑にイノシシがでるようになり、気持ちが切り替わりました。私も何かしないと。

飯能市の保有する山や、県や国が管理する山、ぜひ杉やヒノキではなく、広葉樹にしてほしいです。鳥獣対策室がありますが、山の植生を変えるには、市長や議員さん、林業の皆さんも関わってくるでしょうか。そして狩猟を担当している方々など。

イノシシが棲める山にするには、間伐、枝切り、草刈とかいっぱい仕事があるようです。

飯能市の中藤下郷では地球のしごと大学の「自伐型林業学部」というのが開校されているんですね。野口和彦議員が参加されたようです。

カテゴリー: 鳥獣害

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