思いが集った無肥料自然栽培勉強会

昨日今日と、東京のビックサイトで無肥料自然栽培勉強会が開催されました。
熱い思いで満たされている今のうちに、走り書きですが様子をお伝えしたいと思います。

去年は、夫が参加しました。私は参加者のレポートをまとめた冊子を読んで、それだけでもとても勉強になりました。夫がそこで知り合った方たちともFacebookで友達になり、1年間、たくさんの情報を得ることができました。

今年は、私が参加しました。

ちなみに、どうしても懇親会に出たかったので、子供たちも連れて行きました。夫は子守担当。初日は、皇居や科学技術館に行き、二日目は上野動物園などに行ったそうです。よるの懇親会は家族で参加!そして近くのホテルに泊まっちゃいました。

さて、勉強会は?

初日は、実行委員長で師匠の明石誠一さんのお話。「思い」が大切ですよね。とおっしゃっていました。他にもいろいろ。
そして、「1/4の奇跡」の映画を上映して、横山先生の講演。生物の多様性を数値化した研究の話し面白かったです。
私も、生物多様性がある畑を作りたいと思っていたので、いろいろ興味深かったです。

生物多様性と病原菌

日本とニュージーランドは、生物多様性が高いんだそうですよ。
そして、ブラジルの、遺伝子組み換えトウモロコシとラウンドアップを使った畑を検査したら、微生物ゼロ!
先生の話で面白かったのは、「病原菌はとても弱い存在」ということ。多様な微生物がいたら、病原菌は繁殖できないと。逆に、微生物がほとんどいない上記の圃場では、どこにでもいる病原菌によって、作物が全滅したとか。

おいしい懇親会

参加者のみなさんと話したい!と思って、子供まで東京に連れてきたのですが、大正解!まず、ご飯がめちゃくちゃおいしかったです。野菜たっぷりのミネストローネのおいしかったこと。子供も、おいしいと、いろんなお料理を食べていました。

北海道で30年無肥料自然栽培をしている秋葉農園の秋葉和弥さんともお話しできました。お父さんの代からだと60年だそうです。去年の勉強会のときに知ったのですが、私の同級生にいすみ市の木戸泉の息子がいるのですが、秋葉さんのお嫁さん、その子のおばさんにあたるみたい。木戸泉は、「自然舞」という自然栽培のお米を使ったお酒を作ってるんですね。おいしかったです。秋葉さん、ほんときさくな方で、私のレポートも読んでいてくださって、「がんばれよ」って言ってくれました。うれしいなー。

宮城県でササニシキを作っている成澤之男さんも、お話してくださいました。市場の値段は上下するけれど、自分は値段を買えないんだよと。儲けてはダメだというのが印象的でした。一緒にいらした、食の学校の塩川恭子さんは、成澤さんのお米は、翌日おにぎりにしてもおいしいと言っていました。心がつまっていておいしいと。

塩川さん、「お茶が盲点なのよ!」と言っていました。「お茶は洗わずに、皮もむかずに飲むから、農薬がそのまま入ってくるのよ。それなのに、カキテンが健康にいいからと、みんなたくさん飲んでしまって」と。食育にとても詳しい方なので、私も食べ物について、他の人にお伝えする方法を相談できそう!と思いました。

気になっていた、津久井在来大豆を作っている島村さんにも話を聞きました。ずいぶん大豆を作っているのですが、なんとできるだけはさみで収穫しているそうです。完熟させてから収穫したいから。脱穀してから干すと。多くの人は、刈払機で刈り倒してしまうんです。職人的な心意気が素敵だなと思いました。

ハミングバードの近藤さんとも少しお話できました。りんごの木村秋則さんのスケジュールを管理されているなんて聞いて驚きました。木村さんのホームページも作ってらっしゃるそうで。2日目の講演で、ご自身の仕事や栽培者がインターネットで発信するときのコツなどをおしえてくださったのですが、ほんと分かりやすくて、すごい方だなと思いました。

新規就農の方たちとも、名刺交換を。新規就農の方、本当にたくさんいるんです!全国に!熱い思いを持って!!

2日目の発表いろいろ

北海道十勝の折笠健さんの話、面白かったー。永続性のある無肥料自然栽培。大豆や麦など、カロリーが高い作物は、土地からの収奪も大きいから、帯広畜産大学の土壌学を研究している先生に、土壌学からの視点だけでみると、永続的ではないと指摘されたそう。でも、ではどうすればいいか?と考えているそうです。折笠さんは、緑肥で有名な雪印種苗と一緒に実験しているそうです。小島農園でも作ってみた黒千石豆があって気になりました!きなこや黒千石豆茶にして売っているそうです。ちなみに、折笠さん、私の発表の後で話しかけてくれました。すごいパワーがある方です。研究者も播き込んで、無肥料自然栽培を永続的に行う方法を見つけたらいいのでは?というアイディア、私もいつか、飯能市にある駿河台大学と連携したら面白そうだと思いました。今調べたら、農学系はないなー。出身校の農工大がいいかな?

新規就農の川島さんも、個性的でした。いろんな話の中で、お母さんの話が心に強く響きました。病気で、どの食べ物も味がしなく、まずいと感じていたそうです。そんなとき、思いがけず木村秋則さんのりんごが手に入ったそうです。それを口にして、「おいしい」ってお母さんが行ったそうです。涙も流して。作物って、味だけじゃなくて、栽培した人の「思い」も伝わるんじゃないかな?と言っていました。誰かの研究で、生きているネズミと死んだネズミ、万分の一が計量できる量りで測ると、少しだけ軽くなるそうです。そして、人工物の機械も、バラバラにすると万分の一軽くなると。

関連して、折笠さんの話。木村さんが折笠さんの育てたりんごの木を見て「愛が足りないね」って言ったそうです。よく言うそうです。それは、観察が足りないってことも含んでいると思うとおっしゃっていました。愛を込めて、大切に育てると、作物の側に伝わって、それが食べる人にも伝わるみたい。私が、私のお野菜を食べた人が、「今までで一番おいしい」って言ってくれました。と言ったのですが、それも、やっぱり、小島農園をよく知っている人だからこそ、その思いも一緒に食べて「一番おいしい」って思うんだろうねと他の方が言っていて、そうかもなと思いました。

上里町の須賀一男さんの次男の須賀康浩さんもいらっしゃいました。葉菜に残留する硝酸態窒素の実験結果について。自然栽培を数種類、有機栽培も数種類、一般のも2種類。EUでは、賞賛態窒素がある値以上になると廃棄するそうです。日本では、驚くほど高い数値が出ていることもあるそうでグリーンスムージーを飲む若い女性は注意しないといけないと。肥料たっぷりの青菜で作ったグリーンスムージーを毎日1L飲むのは、もしかしたら致死量にいたるかも。赤ちゃんなんて、もっと影響が大きいので気をつけないと!とのことでした。

岩手でおいしいササシグレを作っている阿部知里さんの話も聞けました。衝撃的だったのが、稲に止まるトンボの写真。なんと、10月10日ごろ、トンボが凍っているそうです。次の写真は、イナゴのつがい。昆虫が凍るくらいの寒さに稲をあてることで、おいしくなるのではと考えているそうです。自然栽培だから落穂しないと。ちなみに、凍った昆虫たち、あたたかくなるとまた活動を続けるそうです。

サンスマイルの松浦さんも話をしてくれました。印象的だったのが、他の人を批判するのはやめようと。自分の農法が一番で、それ以外はよくないという負の連鎖は、自分たちで断ち切ろうと。

自分の発表

発表する前に、いろんな話を聞いて、私の「思い」をたくさん伝えてくなっちゃいました。でも、準備した資料は土壌に着目した話。急には変えられないので、資料そのままにしゃべりつつも、やっぱり思いをしゃべってみたり。私の願いは、子育て世代に、お野菜のおいしさを知ってもらうこと。ご飯をきちんと食べてもらうこと。

発表が終わったら、いろんな人によかったよって言ってもらえて嬉しかったです。新規就農仲間の人が、「わくわくが伝わってきた」って言ってました。今回、就農1年目の私に、こんな機会を与えていただいて、本当にありがたかったと思いました。発表した内容で、疑問に思ったことにも、あとでアドバイスしてくださる人もいました。

女性もいます!

宮城県のすずめ農園さん、若くてびっくりしました!かわいい女性が稲作しています。サンスマイルでスズメちゃん達のお米買えます。そして、静岡のお茶屋さんの善光園さんの次女さん。野菜作り始めたいそうです。棚宗サラダ園の石川さんもいらっしゃいました。本で読んで素敵だなと思っていたので会えて嬉しかった。ほかにも!岐阜のamrita農園さん、お話したい!

畑作部会のファシリテーション

疑問に思っていることを持ち寄って、意見を言いあう会。否定はしない。
いろんな疑問が出てきて、いろんな意見がでて、面白かったです。

マルチが風に飛ばされない方法として、須賀さんが、縦方向にテンションを張るのがいいと教えてくれました。上里でも強い風がふくけれど大丈夫だと。縦方向にテンションを張るためには、両端で、マルチを長めに取っておいて、マルチの上に土をおいて、それをマルチで包んで、と土を重石のようにしておくといいと。今年やってみたいと思います!

「おいしい」の話も面白かった。草があるのとないので、味が違うか?草があると、コク、深み、えぐみ、泥臭さとかでてくるけど、草がないと、すっくりして、その野菜だけの味がするという話でした。どっちを作りたいか?栽培者が決めれば。

私は、土が痩せてしまうのがとっても心配で、「地力をあげるにはどうすればいいか?」と質問したのですが、有機物を投入すればいいという話ではないですね。やっぱり。須賀さんが、根が張れる土を作れば育つと言っていました。有機物の投入については、青いままではなく、しっかり乾燥させてからすき込むのが基本のようです。他の方にも、よく乾燥させている時に光分解が起きると聞いたり。

そうそう、休み時間に聞いたのですが、群馬たんぽぽ農園さんの真黒茄子が、霜が降りるまでつやつやでおいしいものが取れていて、とっても不思議でした。有機農業をしている所沢の陽子ファームさんは、追肥が必要!と言っていて、やっぱり養分がないとナスは途中で種を残す方に全力を注ぐようになって、実がすぐに固くなって、種ばっかりになるのかな?と思っていたのです。たんぽぽ農園さんの畑が、桑畑のあと菜の花畑7年というのを聞いて、やっぱり土ができているからよく育つのかなと思いました。

ファシリテーションで、よく意見を言う方がいて、やっぱり面白いです。nicoの関野会長はもちろん、折笠さん、くりもと地球村さん、群馬県みどり市の松島さん。これからも、ぜひ情報交換したい!と思う方たちです。他にも、たくさんの人が意見をいって、なるほどなるほど!と思いました。

それにしても、みんな熱心で、いろいろな思いをもって、無肥料自然栽培に取り組んでいて、刺激になります。
いろいろなヒントをもらいました。役立てたいです。

明日もファシリテーション!行ってきます。

カテゴリー: イベント
2 comments on “思いが集った無肥料自然栽培勉強会
  1. 村田光貴 より:

    自分は大分の国東でお米を作って2年目になります
    肥料や農薬を使わないでやっていますがなかなか上手くいきません

    以前は岩手の陸前高田でりんごや野菜を作っていました

    国東でもりんごを植えてみようと準備中です
    交流させてもらえたら嬉しいです

    宜しくお願いします

  2. なおちゃん より:

    村田さん

    コメントありがとうございます。
    お米と果樹、私には、ほとんど経験がない世界ですが、無肥料自然栽培の世界は、共通する部分が多いと思います。よろしくお願いします。お米は、これから栽培して行きたいと思っています!

    お米は、たくさんの先輩方参加されていました。
    みなさん、研究熱心で、アドバイスもたくさんしてくださいます。

    九州の方でも、無肥料、無農薬のグループがあると聞きました。村田さんも、どなたかから学びながらやっているんですか?今回の勉強会の参加者に、熊本の自然農法稲本農園さんがいらっしゃいました。ご興味があったら、お問い合わせしてみるといいかもしれません。

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