たねのわ 2016年夏の種採り講習会&畑の見学会を開催しました

8月20日(土)、小島農園でたねのわの種採り講習会&畑の見学会を開催しました。なんと、講習会の前日に台風発生!講習会当日に日本付近で台風が2つも発生するという、前代未聞の悪天候での開催となりました。それでもキャンセルなし、遠くは横浜、高崎からも来てくださりました。

この夏は「夏野菜の種採り」をテーマにして、講義、種採り実習(沖縄あばしゴーヤ、ミニズッキーニ バンビーノ、相模半白きゅうり、真黒ナス)をしました。

写真が掲載しきれなかったので、こちらに全64枚あります。
2016/08/20 たねのわの種採り講習会のアルバム

自己紹介

まずは自己紹介。たねのわのメンバが4名、日高くるくるネットの畑の学校の方が2名、無肥料自然栽培nicoの準会員の方が2名、たねのわの運営委員が6名の計14名でした。

自己紹介。

自己紹介。

講義

講義は、資料に沿って進めました。
種取り講習会の手引き

講義開始。雨が降ってきたので育苗ハウスに移動です。途中雨音が大きくなって、聞こえずらくなったりしました。

講義開始。雨が降ってきたので育苗ハウスに移動です。途中雨音が大きくなって、聞こえずらくなったりしました。

こんな内容です。
1.しっかり育ててから母本選抜する
2.病虫害に強い株を選抜する
3.豌豆、いんげん豆、ピーマンや万願寺唐辛子は、株全体を種採りにすると楽
4.病虫害にあっても全滅しないように、母本は多めに
5.交雑について
6.F1も固定できる
8.おすすめの本とサイト

例えば、種採り用のナスを決めて太らせると、どんどん大きくなるんですよね。あんまり株が大きくならないうちに種採りをはじめると、そこで栄養を吸収されて樹勢が衰えたりします。葉っぱを茂らせる「栄養成長」と実をならせる「生殖成長」というのがあるのですが、十分栄養成長させると、種採り用の生殖成長をしても、樹勢が衰えません。小島農園では、多様性を残すために(といっても母本の数が少ないのですが)、1つの株から1つ種採りの実を太らせます。よく育った株だと、他の実も育ち収穫できます。ナス、きゅうりは、種採りしながらよく収穫もできました。

ただし、今回種採りしたズッキーニが1つ未熟のものがありました。そのズッキーニは、種採り用にと太らせているにもかかわらず、他の種採り用ズッキーニほど大きくならず、他の実もどんどん太っていました。作物によっては、種採り用以外は摘果するとよいなどありそうです。「固定種野菜の種と育て方 創森社」で関野幸夫さんが、きゅうりは1株から5本種採りをして、残りの実は摘果すると書いてありました。よりよい種を採るために、できることはいろいろあるようです。

最後に、受講者の方から申し込みのときに聞いていた質問にお答えしました。交雑について、たねの寿命と保存方法についてなど。すでに種採り経験がある人もいて、「うちではこうだよ」という話も盛り上がります。

種採り実習

講義の後は種採り実習です。ちょうどゴーヤの話が出たのでゴーヤから。ゴーヤの種は赤い袋に包まれています。赤い袋が甘いんだよなんて話があり、食べてみた人も!甘いと声があがりました。

真っ赤なゴーヤの種

真っ赤なゴーヤの種

ゴーヤの種採り

ゴーヤの種採り

次が相模半白きゅうり。6月下旬に食べごろの大きさになってから、1か月半実らせていました。先日講習会用に収穫して、1週間作業ハウスに置いておきました。この種採り用キュウリを見て、「これなんですか?」という質問がでました。普段食べているきゅうりとは似ても似つかない大きさと色。長さ30㎝以上の大さですが、きゅうりです。相模半白きゅうりは小さいほう。奥武蔵地這きゅうりの母本はもっと大きくなります。包丁で外側1cmくらいを切って、ぱかっと割ります。中の種とゼリー状の部分をバケツに取り出しました。きゅうりの下部の種はよく熟していますが、上部(へたに近い方)は未熟のものがあります。熟した種だけ取り出します。

相模半白きゅうりの種採り

相模半白きゅうりの種採り

本来は、それをタッパーなどの保存容器に入れて3日くらい置いておくと発酵します。発酵する過程で種についた菌が死滅すると言われています。が、私は3日で種を発芽させてしまった苦い思い出があること、そしてちょうど3日後に種を洗って干す作業を忘れてしまう可能性があることから、ここ3年は発酵させていません。が、病気は出ませんし、発芽率は100%くらいです。ということで、発酵させずに、古いを使ってたねの周りのゼリー状の部分をとり、水で洗いました。種はほとんど水に沈みました。水に浮く種があったら捨てます。水きりをして新聞の上に広げました。

きゅうりの種を洗った後、種はほとんど水に沈みました。完熟です。

きゅうりの種を洗った後、種はほとんど水に沈みました。完熟です。

洗った種を新聞に広げて干します。

洗った種を新聞に広げて干します。

なお、きゅうりは、畑に置きすぎたり、追熟させすぎると、きゅうりの中で発芽してしまうことがあるそうです。本によって、さまざまなので、どれかに従ってやってみるといいと思います。「完熟しているけど、発芽していない」は、経験が必要になりますね。

次はズッキーニです。ミニズッキーニ「バンビーノ」という品種ですが、種採り用のズッキーニの大きいこと。ラグビーボールまでとはいきませんが、大きいです。こちら、かぼちゃの中まで皮が硬いです。はじめに、ちょっと傷んだものを頑張って割ってみると、「あれー!」発芽しているのがありました。発芽しているのと、発芽していないのがあるので、発芽していないものを取り出しました。この「ちょっと傷んだズッキーニ」ですが、もう1か月くらい前に十分熟していたので株から切り離して畑に置きっぱなしにしておいたものです。作業ハウスに置いておけば発芽しなかったかもしれませんが、35度を超える畑であったまって発芽したのだと思います。ズッキーニは、春まで作業ハウスに置いておいても、腐らずに発芽もせずに残っているものがあります。他のズッキーニは発芽していませんでした。株につながっているのと、切り離してしまったのでは、発芽モードが違うんでしょうね。たねの世界は面白いなと思います。

ミニズッキーニなのに大きくなった種採り用のズッキーニ

ミニズッキーニなのに大きくなった種採り用のズッキーニ

こんな風に発芽しちゃった種がありました

こんな風に発芽しちゃった種がありました

みんなで種採り

みんなで種採り

みなさんのおかげで、次々と種採りが進みます。ズッキーニを水洗してみたら、全部種が浮きました。完熟していても、軽い大きな殻に包まれているせいか浮いちゃいますね。完熟したものは、ぷっくり膨らんでいます。未熟のものは薄いです。そんな様子も、種を手に取って確認していただきました。

ズッキーニの種を洗います

ズッキーニの種を洗います

ズッキーニの種も新聞紙に広げて乾かします。カボチャやズッキーニの種は厚みがあってかびやすいので要注意。

ズッキーニの種も新聞紙に広げて乾かします。カボチャやズッキーニの種は厚みがあってかびやすいので要注意。

次は真黒ナスです。昨日まで畑で太らせていました。これまた大きなナスにびっくりする声!大きいものは1Lのペットボトルくらいの大きさでしょうか。黒いナスがどんどん大きくなって、その後茶色っぽくなります。ナスは水分が少ないためか実の中で発芽することはありません。しっかり2か月ほど樹で太らせて、硬い皮が柔らかくなってから収穫します。今回は、種採り講習会に合わせて、まだ皮が硬めでしたが収穫しました。やわらかくなるまで追熟させてから種を取り出したほうが作業しやすいです。外側1cmに切れ目をいれて、4等分しました。バケツに水を入れて種をもみ出します。種はしっかり水に沈み、ナスの白い実が浮きます。

真黒ナスの種採り。種を傷つけないように包丁で切ります。

真黒ナスの種採り。種を傷つけないように包丁で切ります。

水の中で種をもみだします。

水の中で種をもみだします。

畑で虫にかじられて、すっかりよぼよぼになったナス。でも種採れます。

畑で虫にかじられて、すっかりよぼよぼになったナス。でも種採れます。

最後に、トマトの種採りを少し。トマトは母本用に取っておいたものが追熟中に暑くて傷んできたので、種を取り出してしまいました。なので、畑にあるトマトを持ってきて、ゼリー状の部分の色だけ確認してもらいました。よく熟したものは黄色ですよと。トマトも、ゼリー状の部分と種を取り出し、タッパーなどで3日間発酵させます。気温が高すぎる場合は、3日でも発芽してしまうので注意します。気温が高いところで発酵させるときは1日で十分かもしれません。

トマトの種採り

トマトの種採り

どの種も新聞紙に広げて、天日で半日、陰干し1週間します。受講者の中には、「エアコンで1日で乾かしちゃいますよ。」という方もいました。

畑の見学

14時から16時までの予定でしたが、ここまでで16時過ぎ。少しだけ畑の見学をしました。皆さんにお見せしたかったのが、まずトマトの仕立てです。道法正徳さんの「切り上げ剪定」を真似して、脇芽を取らずに上に縛り上げました。脇芽を伸ばしたいけど管理が大変なので、この束ねてしまう方法はよかったです。

トマトの仕立て方の説明中。

トマトの仕立て方の説明中。

うさぎの畑に移動して、夏野菜の通路に敷いた敷きわらもみていただきました。週に3回も収穫に入るので、わらの通路を踏み固めずにすみます。通路にも野菜の根っこが伸びているので、わらを敷くことで、野菜の育ちもよくなると思います。わらにはクモが住むので、いろいろな虫を食べてくれたり、厚く敷くと11月まで収穫する野菜でも除草がいらなくなるなどメリットが多いです。

通路には敷きわら

通路には敷きわら

ぜひ見ていただきたかった夏野菜メインの「りゅう」の畑は、遠いので時間もなく雨も降っていたのでなしに。いろいろ見てほしかったのですが―、残念!りゅうの畑は、腐植たっぷりでもともと作物の育ちがよい上、隣の田んぼのおかげで、生物もたくさんいて、虫害がとても少ない氣がするんですよね。

最後に、育苗土について質問を受けたので、堆肥山を紹介しました。草を積んでおくと、1年後に土のようになり、2年後にはほぼ土になってしまいます。柔らかい草だけでは、水分が多いので、シロザが硬くなったものなど炭素率が高いものも入れるようにしています。また、堆肥山AとBに分けていて、草取りして種がついていないものだけAに積んでいます。

堆肥山A

堆肥山A

質問がいくつかあがりました。
Q1.石灰とかいれないの?
A1.入れていません

Q2.野菜の残渣とかは入れてもいいですか?
A2.水分が多いものは入れないようにしています。種があるものも入れないようにしています。水分が多いと、「嫌気性発酵」になってしまうからです。関連して、堆肥山は板などで囲わず、野積みします。風通しがよくなるようにです。四隅を先にきちっと積んでおくと、2mの高さでも積むことができます。

懇親会

さて、講習会&畑の見学が終わったので、懇親会スタートです。今回も、参加者の皆さんには1品持ち寄っていただきました。自分で作ったお野菜でお料理を作ってきてくれた方がいっぱいです。懇親会は、たねのわの集まりの醍醐味になってきています。食べてもおいしいし、種や畑のことを話しても楽しいんですよね。

懇親会準備中

懇親会準備中

一品持ち寄りのおかずが並びます

一品持ち寄りのおかずが並びます

  • 枝豆 越後ハニー
  • ラタトゥイユ
  • 夏野菜の揚げ浸し(ナス、万願寺唐辛子、かぼちゃ、たまねぎ)
  • 小布施丸ナスの揚げ浸し
  • ゴーヤ、トマト、油揚げのポン酢和え
  • 玉ねぎのピクルス
  • ステラミニトマト
  • きゅうりのニンニク醤油味
  • 黒皮栗かぼちゃを焼いたの
  • かぼちゃ シンシアとウインナーの炒め物と、北海こがねとはるかとウインナーの炒め物
  • ズッキーニなどの炒めたもの
  • 横浜から、崎陽軒のシュウマイ
  • 炊き立てご飯
  • 味噌汁
  • フルーツは、ぶどう(藤稔、安芸クイーン)、なしもいっぱい
  • デザートもあって、かぼちゃ(ブラックフォレスト)のタルト

最後の方に飛び入りで、近所の山下果樹園の若夫婦がなしを手土産にやってきました。なんと、普通に栽培している梨と、自然栽培の道法正徳さんの切り上げ剪定という方法で剪定した梨の食べ比べをしてほしいとのこと。AとBのお皿にそれぞれ盛って、みんなで食べ比べました。それぞれ好みが分かれたり、いろんな意見があって面白かった。

山下夫妻

山下夫妻

台風が3つも発生した日でしたが、こんなに楽しい講習会と懇親会が開催できてよかったです。そうそう、たねの森の紙さんには、照明をお借りしました。おかげさまで19時までのんびり懇親会ができました。

ライトアップされた育苗ハウス、なんだか素敵

ライトアップされた育苗ハウス、なんだか素敵

準備は大変なんですが、やっぱりみんなで集まって楽しいんですよね。たねのわの活動、たねの交換会、講習会、上映会など、毎年続けることに意義があるとも思います。これからも畑仕事をやりくりしながら、時間を作っていきたいと思います。

たねのわ、次は11/27(日)13時ごろからたねの交換会があります。12月には、横田農場さんかな?冬の種の講習会をしたいと思っています。2月ごろには、種に関する映画の上映会も予定しています。興味があるもの、都合がつきましたら、ぜひご参加ください。

カテゴリー: イベント, たねのわ

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