苗づくりサービスの参加者に、5月上旬の受け渡しまで、1週間に1回のペースでメルマガ配信することにしました。苗の成長を報告したり、それに関連した話など綴っていきたいです。最後に紙にまとめて、苗と一緒に渡せたらなと思います。
草を積んだ堆肥山
自然栽培の仲間の多くは、除草したときの草や、出荷したときに取り除いた野菜くずなどを積んでおきます。野積みにすることで、風通しがよくなり、雨がふったりと、自然に土に帰っていきます。1年で見かけが土になります。2年経つとしっかり分解します。
次々と新しい草を供給することで、いろいろな小動物が活躍する生きた山になります。小島農園では、より空気がいっぱい入るように、桑の木をいれたり、シロザなどの木質化(木のように固くなった)したものを入れたりします。先日、堆肥山から土を取り出した時は、カブトムシの幼虫が15匹くらい出てきました。隣の堆肥山に移動しました。
堆肥山は、種がついてしまったもの、水分が多い大根やスイカなどは、堆肥山Bに置いています。種が多いと、種まきした後の除草が大変になります。うっかり、ブロッコリーの種まきをするのに、小松菜の種取り後の残渣(種など)がはいっていて芽がでてきたら、どれがブロッコリーか分からなくなってしまいます。水分が多すぎると、「嫌気性」の微生物が活躍して、腐敗してしまいます。空気が多くて、「好気性」の微生物が活躍すると、甘いおいしい匂いがしてきます。
2年経ってしっかり土になったものは、森の土の匂いがしてきます。放線菌の匂いともいわれています。みみずのうんちなど、よく見るとコロコロした土の塊(団粒構造)になっています。
種まき
10.5cmの黒いポリポットに、草堆肥を満タンに入れました。今回は堆肥山の水分量がちょうどよく、水を足す必要がありませんでした。もし、水分が少ない土を使う場合は、ポットに土を詰める前に、水をなじませておくのがいいと思います。乾いた土をポットに詰めると、下の穴から土がこぼれてしまうことがありますし、後で上から水をやっても、十分ポット内に水が行き渡りません。
1つのポットに3粒ずつ、少し深めの(1.5cm)を目安に種まきしてもらいました。大きなポットに播くこと、深めに播くこと、どちらもうっかり乾きすぎてしまったときでも、発芽した芽が枯れないようにの工夫です。気温が高い日、風が強い日、思いがけず土が乾燥することがあります。最初の2年間は、このうっかりのために、かなり発芽したものをダメにしました。
「好光性(光が好き)」な種があります。レタス、人参、Mさんが播いていたハーブ類もそうでした。これらは、土を薄くかけるのですが、育苗ハウスでは乾燥しすぎてしまうので、去年から籾をかけています。土が蒸発するのを防ぎますが、光は届きます。
種まきで大切なことは、心を込めることです。ケンカしながら種を播くと発芽率が悪くなると聞いたことがあります。こどもたちと一緒に種まきすると、きっとこどもの元気も伝わるかなと思います。
植物には、ヒトの心が結構伝わるようです。遠く離れていても、植物には思いが届いていますので、毎日、みなさんの苗ちゃんに思いを馳せてください。きっと元気な苗が育つと思います。
発芽まで
みなさんのまいた種、まずは好光性のレタスがはじめに発芽します。今年は5日目に発芽しました。大きめのトマト(世界一トマト)は、7日目ごろに発芽します。ピーマンなどが9日くらい、ナスが12日くらいで発芽します。育苗ハウスは暖かいので、はやくに発芽しますが、自宅で育ててみると2週間経ってようやく芽が出るということも多いと思います。
発芽するまでは、「好光性」の苗以外、光が入りません。乾燥しないように、新聞紙で覆っておくと、水分が蒸発せず、水やりをしなくてすむのでおすすめです。今回の苗も板などで覆っています。Mさんのもみ殻播いたのだけ、別にしておきます。
次のメールでは、順次発芽していく苗の様子をリポートできると思います。お楽しみに。
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