2020年度 研修生受け入れ まとめ

2020年5月 飯能で2021年に就農予定のフルタイムの研修生がやってきました。

3月下旬の夏野菜の苗の種まきで一度来たことがある岡田さんです。すでにホームページがあるので紹介します。
固定種野菜生産販売 めぐるみどり

どんな人?

岡田和樹さんは、とてもまじめな人です。そして、小島丈幸に似ている人です。
人に気を遣い、人に気を遣わせない人です。
哲学を学び、物事を哲学的に考える人です。
背が高くて、体力があります。
寒さに弱く、暑さに強いです。
小島家のこどもたちと、子どもとしてではなく、人間として接しています。これ、なかなかできないことです。
小島家と相性ピッタリ、みんな大好きです。
そして、かわいらしい奥さんがいます。

1年間毎日一緒に仕事をする人なので、人柄がとても大切になります。一緒にいて疲れる人では困ります。岡田さんは、本当に小島農園メンバ全員にとってぴったりの人でした。よかったー。研修生はだれでも歓迎というわけではありません。この人が飯能で農業するのを全力で応援したい、農業でやっていけそうな人、地域に溶け込める人、そういう人を受け入れしたいと思います。

岡田さんと乙女スイカ

岡田さんと乙女スイカ

三浦大根と岡田さん

三浦大根と岡田さん

飯能で農業をはじめるために、まずは農家で研修

飯能で農業を始める1つに埼玉県では「明日の農業担い手塾」という制度があり、2年間の営農研修が必要です。その間に100万円以上の売上を立てると農家と認定されます。「明日の農業担い手塾」を始める前に次のどちらかをクリアする必要があります。
1.農業大学校を卒業する
2.先進的農家で1年研修する

岡田さんは、すでに大規模米麦農家さんで約1年、無農薬の農家さんでも約1年の勤務経験があったのですが、明日の農業担い手塾が始まる2021年4月まで、農業研修をしてくださいと飯能市農業振興課で言われたそうで、小島農園を紹介されてきました。

岡田さんのやりたいことが、農薬や肥料を使わず、地域で循環型する農業で、且つ販売方法も宅配や直売を考えていることもあり、小島農園のスタイルに近かったようです。

小島農園では、畑に来る人を、次のように分類して、対応させてもらってます。
1.遊びに来る人
2.手伝う人
3.実習
4.研修

研修生の場合は、営農するのに十分な知識をつけてもらうため、特に詳しく説明したり、機械の操作を教えたり、お手伝いさんとは違うことをいろいろ教えます。

研修内容

研修は、無給です。作物がたくさんとれた時に、お分けすることがあります。無給でもあまりある技術や必要なことをお渡しできていると思います。

作物の栽培
・春野菜(春人参、春大根、小松菜、山東菜、カブ、スナップエンドウ、レタス、キャベツ)
・夏野菜(ナス、ピーマン、オクラ、トマト、トウモロコシ、スイカ、ズッキーニ、きゅうり、いんげん、モロヘイヤ、ツルムラサキ、夕顔、ヤーコン)
・夏の除草(ハンマナイフモア、仮払機)
・秋冬野菜の栽培(小松菜、山東菜、白菜、キャベツ、ブロッコリー、大根、高菜、カブいろいろ、ラディッシュ、ルッコラなどなど)
・それ以外の作物(さつまいも、じゃがいも、里芋、玉ねぎ、ネギ、人参、落花生)
・穀物(米、小麦、大麦、ライ麦、高きび、ポップコーン、ひまわり、エゴマ、ゴマ、大豆)

販売
収穫、袋詰め、お客さまごとの仕分け、段ボールへの梱包
研修生に任せずに、自分でやると決めて、見せるだけの作業もあります。

収穫するときも、ただ切るだけでなく、次の収穫を考えて、どうやって収穫するかとか伝えます。夏は月水金で収穫出荷しているのですが、月曜日は水曜日にいい大きさになるもの以外、少し小さくても収穫してしまいます。インゲン豆とか、天候によっても生育が違うので見極めが難しいです。金曜日は、土日を挟むのでインゲン豆とキュウリなど日曜日に1回収穫して冷蔵庫に保管することがあります。

菜花は、早く収穫しすぎると脇芽があまり取れなかったり、収穫しないと花が咲いて終わってしまい、他の芽が伸びなくなるので、どの長さでいつ切るかなど実地で伝えます。岡田さんは、小松菜とカブを周年で作っている農家さんでも働いていました。小島農園で収穫適期を逃した小松菜が、すごく大きく育っていることに驚いていました。大きくなった小松菜が2月になって菜花として出荷できるようになります。

お客さんへの毎回のやり取りも、変わったことがある場合は教えたりします。ある日は、3人くらいお客さんがキャンセル出たよとか。12月は野菜が一杯取れるから、Facebookでお野菜の募集をかけて、注文採れたよとか。お客さんへの注文メールとかもこんな風に書いてるよって見せたり。どうやると、いっぱい注文もらえるかとか。私が話好きなので、そのときあったことをどんどんしゃべります。

土づくり
夏は、造園屋さんの堆肥山から土をふるう作業も一緒にやりました。草と木を積んだものが土にかえります。それを苗づくりに使います。
畑も乾燥した畑、田んぼを畑として使っているところ、水が集まる畑、やせた畑、なんでも育つ畑、休ませている畑、いろいろな状態を見ることができます。小島農園の特徴の、できるだけ畑を裸にしないという考えも、岡田さんは不耕起栽培にも興味を持っているので合っていました。

週末は畑で実践
岡田さんにはすぐに2つの畑をお貸ししました。1つは乾燥してやせ気味の畑(少し空いたところがあったので)。トマト、さつまいも、マクワウリを栽培していました。もう一つは、岡田さんに譲ることにした畑で、元田んぼです。ズッキーニ、きゅうり、ナス、ピーマン、枝豆、モロヘイヤ、オクラなど、いろいろ栽培していました。自分で栽培することで分かることがたくさんあります。

元田んぼの畑は、小島農園で夏野菜を作っている畑の2つ隣で、少し似ている畑です。それでもマルチをしないこととか、栽培方法の違いもあり、同じ真黒ナスでも育ちがちがったりと興味深かったです。岡田さんが違う品種のオクラを栽培して、「あ、そのオクラのほうがいいかも」と思ったりもしました。

就農準備

農地探し
就農するのに一番難しいのが農地探しです。小島農園では、地元の農家さんに空いている畑の情報を教えてもらったり、農地ナビを使って、畑の地主さんを推察して、畑を借りれるか地主さんに打診したりします。

岡田さんは、2021年4月の就農スタートまでに5反の農地を見つける必要がありましたが、夏までに見つけることができました。これ、地縁のない新規就農者にはほんと大変なんです!農業振興課に寄せられる土地の多くは、使いづらいから残っている土地がほとんどです。初年度にやせすぎている畑で自然栽培を始めてもうまく栽培することは難しいです。(何十年も休耕地だった草ぼうぼうの畑はよく育ちます。)地元の方とつながってようやく空いている、使えることがわかったりします。借りることになった1つは県道に面した、人の目につく畑です。人の目につくというのは、認められやすいということです。(小島農園でも、初めに借りた土地の1つはすごく目立つところでした)

農地の開墾
1つの農地は、ずっと草ぼうぼうだった畑でした。夏に1回、篠竹、桑の木、オオブタクサ、などなどが繁茂する畑を開墾しました。仮払い機やハンマナイフモアが大活躍です。12月には、もう1回除草をして、トラクターで浅く耕起して、小麦をまきました。大きな石がごろごろ出てきて驚きました。大変な畑を紹介してしまったようですが、うまく使えるといいなと思います。隣の広い畑も借りることができ、拠点にもなりそうな場所なので今後どうなるか。

車の奥の草ぼうぼうのところが畑

車の奥の草ぼうぼうのところが畑

仮払機で草刈りする岡田さん

仮払機で草刈りする岡田さん

ようやくここまできれいになった。まだ半分以上ある。

ようやくここまできれいになった。まだ半分以上ある。

家探し
これは、難しいですね。精明地区の畑エリアには、空き家がほとんどありません。空いていても、なかなか貸してもらえません。あちこち声をかけさせてもらっています。今までも1件空き家を紹介した事例があります。2020年から新規農家として大活躍のジャン・フィリップさんのうちです。岡田さんも、畑の近くに住めるといいなと、これからも家探し手伝いたいと思っています。

営農計画のヒアリング
なぜ農業を選んだのか?
4月からの作付けはどうするか?
販路はどうするか?
など、対話することで、岡田さんの考えも固まってきたようです。
ホームページに関しては、丈ちゃんがちょこちょこアドバイスしたみたいです。

就農しても

4月に就農してからも、お互い独立して、緩やかにつながりながらやっていければと思います。岡田さんがどのように栽培して、どのように販売して、どんな農家になるのか楽しみです。飯能市川崎、下川崎地域を中心に、一緒に盛り上げていけたらうれしいです。

いただいた恩を次の世代に返す

先日、無肥料自然栽培勉強会がありました。そこで、小島農園の師匠の明石農園さんと飯能のほっこりポッコリ自然農園さんと話したときに、明石さんがとても感激されたそうです。明石さんが無償で伝え応援してくれたことが、小島農園を経由して、ほっこりポッコリ自然農園さんにつながっていること。そしてまた岡田さんにも伝わっていっています。

恩を返すのは難しいけど、次の人に受け継いでいくことはできる。小島農園では、飯能で農業をやりたい人、この人は応援したいと思う人に出会えたら、ノウハウをどんどん共有していきたいと思っています。農業が成功することの一つが、研修先と自分が営農する場所は似ていることだと思います。

明石農園さんの畑の土と小島農園の畑の土は、どちらも火山性黒ボク土で似ていました。明石さんが作っているものをほとんど真似して作ったら、販売方法も、イベントも同じようにやってみたら、うまく行っちゃいました。2年目3年目から、自分流を取り込んで変化しています。(明石農園さんも研修後8年でずいぶん変わりました。)

農業は素晴らしい暮らしだと思う

最後に、農業の魅力をお伝えします。

小島農園の農業は、暮らしそのものです。末っ子はおなかにいるときから畑育ち。生まれて1か月で畑に出勤開始。末っ子は、お昼寝から起きても泣きませんでした。起きれば、誰かがいるのはわかっているからか?畑が居心地がよかったからか?大きな声を出して、走り回って、夏の暑い日は水遊び、風の日は凧を挙げたり、寒い日は火を焚き、お母さんを手伝い、兄弟で遊び、畑はこどもを育ているには素晴らしい環境だったと思います。

日々の食べ物も農業とつながっています。米も小麦も野菜も、ほとんどが自分で作ったものです。小島農園の作物、本当に滋味深くておいしいんです。食べると力がわいてきます。

宅配という販売方法のため、お客様も顔が見えます。配達に行くと「おいしかった」「ありがとう」と喜んでもらえます。こんな素敵な仕事ってなかなかないと思います。

会社員のころのように、年収夫婦で1000万円越えはありえない状態ですが、使うお金が少ない分、年収150万円でも暮らしていけています。日々の暮らしの中に幸せと穏やかな時間がたくさんあります。

どの世代でも、農に関心を持ってくれたらうれしいです。専業でなくてもいいと思います。まずは家庭菜園をやってみるといい。プランターでトマトを育ててみてもいい。ステップアップして、農家さんに手伝いに行くのもいいかも。土に触れる生活、好きになる人は少なくないと思います。

農家は大変だと言われています。でも、トラクターができて、いろんな機械ができて、農作業はずいぶん楽になりました。インターネットが発達して、SNSもあり、農作物が直売しやすくなっています。お客さんとつながりやすくなっています。

農家はやりがいのある仕事だと思います。
誇りをもってやっている人がいっぱいいます。

農家になって、自営業を始めて、自由なことがとてもうれしいです。
自分のやりたいことができます。
自分でお客さんを選べます。
自営業だと、土日に仕事をしていても楽しいです。
農家だと、こどもも一緒に仕事ができます。
こどもが熱のとき、仕事を休めます。うちの場合は、こどもを畑に連れて行っちゃいます。
働くママの時は、罪悪感がいっぱいでした。
仕事も中途半端、育児も中途半端。
農業を始めたら、夫が家事育児を手伝ってくれるおかげで、農業に専念できてます。
こどもには、なぜ忙しいのか見ればわかるようになりました。一緒に入れば満足感がアップします。
子ども時間も作ろうと思えば作れます。

私のやってることを、だれでもまねできるとは思わないけど、
その人にあった農業があるかもしれない。
ちなみに、農業じゃなくてもいいと思う。
自営業は大変なこともあるけど、楽しいことも多い。

カテゴリー: 縁農・研修

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