小川町横田農場さんを訪問しました

有機農業でさかんな小川町、横田農場さんを訪問しました。
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去年、日高市たねの森さんが主宰する「種の交換会」で出会った方が、横田農場の研修生だったこと、小島農園で大好評の青山在来大豆が横田農場さんが代々種取りしていたことなどを知り、興味を持ちました。Facebookでの発信も興味深くお聞きしたいことが積み重なって、訪問させていただくことにしたのです。12月中しか行けない!と急なお願いしてみたところ、時間を作ってくださいました。青山在来の種がほしいと言っていた地元飯能の農業仲間のKさんと、ちょうど前日手伝いに来てくれた入間市のKさんを誘って。

まず、横田さんが作成した大豆の選別機を見せていただきました。Youtubeに公開されている横田農場さんの動画をリンクします。

大豆の選別はとても時間がかかります。この動画を偶然見つけたとき、くず豆がどんどん流されていく様子に感動しました。さらに、大豆を大きさ別に選別することもできます。当日、無理言って大豆の選別機を使わせていただきました。はやいはやい、どんどん選別されます。微妙な傾斜があって、乾燥が足りない楕円の大豆まで選別されるところも驚きです。そして、精巧でなかなか自作できなそうという感想も持ちました。

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大豆選別機

翌日雨が降る予報ということで、青山在来大豆の脱穀をお手伝いしました。下里にある大豆畑で豆用の脱穀機を使います。写真を見るとわかりますか?10株~20株くらいずつ、乾燥させるために山にしています。次々と枝ごと脱穀機に入れると豆が脱穀できます。

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大豆の畑で脱穀

大豆を集める人、脱穀機に枝を入れる人、詰まりやすいところをチェックする人と少なくとも3人いると作業がはやいです。人数が多いほど、脱穀機の遊び時間が少ないんだと感じました。私は、脱穀機に枝を入れるのをサポートしたのですが、立派なものは親指くらいの太さがあります。小島農園では、畝間が狭すぎて、徒長してひょろっとしています。横田農場さんでは、なんと畝間を90㎝とっていて、途中で土寄せ兼除草するそうです。ちなみに、株間は20㎝~30㎝。これは、畑の肥沃度によって変えるそうです。鳩の食害があるので、適度に間引かれるとも。うちのキジと同じです。

横田農場さんの青山在来大豆は、渡辺豆腐店で使われるそうです。特に、青山で栽培した横田農場さんの青山在来は、他の農家さんが渡辺豆腐店へ納める大豆をつくるときの種として使われるそうです。すぐ隣の下里で作っても、味が変わってしまうからだそうです。

無事暗くなる前に脱穀完了です。畑の広さが何反か聞きそびれたのですが、200㎏はとれたのではないでしょうか。200kgの脱穀が1日で終わるとは。ちなみに、収穫は7人で1日かかったそうです。手作業ではさみで収穫したそうです。

畑の見学もさせていただきました。2町5反以上の田畑を管理されているそうです。今までご夫婦でこの広さを管理してきたと聞いて驚きました。研修生がいたり、いなかったり。そして、近年はご長男さんが手伝ってくれるようになったそうです。(横田農場さんのホームページを作ったのがご長男さんと聞いて驚きました。プロに頼んだのだとばかり思っていました。)

家から歩いて行けるところにほとんどの畑があるそうです。横田農場さんは、長年有機栽培をしてきたのですが、今年から自然栽培に取り組み始めたと聞いています。私が一番気になっている防虫ネットの使用についても、横田さんは今年使わなかったそうです。草にしなかったところは、そこまで虫害はひどくなかったそうです。

青山の土は独特です。以前は田んぼだったという粘土質の土。そして「青山」の名前が示すように、すぐ裏の山で青い石がとれるようで採石所もあり、粘土質の土にはたくさんの小さい石も交じっているそうです。粘土質だけど下は石で水はけがいいという土です。粘土質の石交じりだと、耕耘が大変ですが、お野菜はじっくり育つ上に、石からミネラルが溶け出すのでしょうか、味はとってもいいようです。ゴボウもおいしいのが採れるんだよ、掘るのが大変だけどとおっしゃっていました。

11月30日のたねの森の種交換会に、横田ご夫妻も参加されていて、九州の「かつお菜」と横田さんが種をつなげているネギの種を持ってきていました。かつお菜は、福岡ではお正月の青菜として使われ、だしを取らなくてもカツオだしのようなだしがでるそうです。そして、高菜系なので、他のアブラナ科と交雑しにくいというのも特徴です。畑で1枚食べてみたのですが、うまみがあると思ったら、ピリリッと辛みがきましたー!福岡の野菜なので、小川町の寒さには弱いそうですが、高菜系何か育てたいと思っていたので、かつお菜いいなと思いました。

ネギは、青山仙本ネギと名付けたそうです。下仁田ネギのようですが、分けつして青い部分もおいしく食べられるネギ。帰り際、長男にお土産にといただいたので、食べてみたら甘くておいしいおいしい!小島農園では、茨木の伝統野菜「赤ひげネギ」を栽培していて、赤色もきれいでこれを継いでいこうと思っていたのですが、青山仙本ネギおいしすぎます。来年の秋に種まきしてみたくなりました。

おいしいと言えば、これまたおみやげにいただいた赤い大根。「女山三日月大根」というそうです。横田農場さんのFacebookページでなますが紹介されているので、輪切りにして塩を振ってみたところ、それだけで味が濃くっておいしい。なますになる前に、ペロリとなくなりました。半分は煮てみたのですが、やっぱりおいしい。土があっているのだと思います。ネギもそうですが、粘土質でじっくり育った味はいいですね。

小島農園の野菜とつい比べてしまうのですが、タアサイも違いました。小島農園では1週間ごとに3回種まきしたのですが、横田農場さんでは1回だけだそうです。小川町今は朝マイナス7度くらいまで気温が下がるのですが、それでも外葉がまだ元気。マイナス10度くらいまでは大丈夫だと言っていました。小島農園では、そろそろタアサイ終了です。外葉の枯れ方の違いは、土の違いがありそうです。

白菜について教えてもらいました。霜が強くなるこの時期に、大量に収穫して倉庫に保管しておくそうです。畑で霜にあたってしまうより傷まず、1か月くらいは新鮮だそうです。たしかに、以前、種取り用の白菜は、12月に収穫して2月に植え付ける人がいると聞きました。

他にもたくさんのお野菜がありました。聖護院大根をみて、来年作ってみたいなと思いました。青山では、昔から大根と言えば聖護院で、保存食(たくわん)ように長い大根を作っていたそうだと教えてもらいました。

暗くなってからも、あったかいお部屋でお話させていただき、いろいろな種も譲っていただきました。本場の青山在来大豆もいただいたので、来年は、小島農園で種取りしたものと両方育てて、生育や味を比べてみたいと思います。

25年も農業を続けている方にお会いできて、感じることがたくさんありました。小島農園も、夫婦仲良く、家族ぐるみで、いつまでも農業をしていきたいなと思います。貴重な時間をいただいて、感謝感謝です。

カテゴリー: 畑見学

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