真黒ナスがとってもいい調子です。
去年まで2年間は、やせているくまの畑で栽培していました。去年(2年目)はいい苗が作れ、生育も良好でしたが、実をつけ始めると樹勢が弱まり、暑さも強くなり、しばらくすると小さいのに硬くて種ができてしまう「石ナス」ばかりになり、そのまま終わってしまいました。
今年は違います。元桑畑で腐植が多く、水があつまるうさぎの畑があっているようです。この夏の干ばつでも樹勢が衰えません。
ちなみに、小島農園では、樹勢がよくなるまで、摘花します。1番花はもちろんのこと、元気が出てくるまでは4番でも5番でも摘花します。就農前に、福島の農家出身の知人から聞いた、おじいちゃん仕込みの「じいちゃん農法」、「3番花までとると支柱がいらない。関東に来て、ナスに支柱をしているのを見てびっくりした」というのがとても印象的だったので、支柱なしを目指して、毎年実験をしています。
さらに、よく園芸本に「1番花の下から出てくる芽はすべて摘む」というのがあります。これもしていません。しなくても、とくに込み入らないから、そこまで困らないからです。無肥料だと、ナスも暴れないからかもしれません。
種取りも今年は一工夫です。母本選抜は、例年1つめのナスを収穫する頃に一番いいものに印をつけて種取り用に太らせます。今年は、樹勢がよくなるまでは、あまり大きくならないうちに収穫しました。実を太らせる(生殖成長)と、樹が大きく(栄養成長)ならないと思います。十分樹が元気になってから、母本選抜をしました。
ナスは剪定をすることが常道だと思うのですが、そろそろ剪定するかと思って3つくらい収穫しながら剪定を始めたときに思いました。「こんなにばっさり切ってしまっていいのだろうか?剪定こそ、ナスを弱らせる原因の一つではないだろうか?剪定よりも、摘果の方が、ナスには負担が少ないのではないだろうか。」ということで、今年は無剪定の実験をしています。無剪定で必要なことは、敷きわらだと思います。結構ナスの重みで枝が下がってくるので、敷きわらで土につかないようにします。
ナスもいろいろ個性があります。あるグループは、1つの枝がぐいぐい伸びていきます。種取りした人の個性が表れています。これは、支柱を立てて起してあげないとと思って、その枝を麻ひもで吊るしました。1か所だけ吊るすだけで十分のようです。
つやつやのいいナスが採れています。中には、やっぱり石ナスになるものがありました。よく観察してみると、種取りしている樹は石ナスになります。そして、樹勢が弱いものも石ナスになりました。そこで、石ナスになる樹の花と実をすべてとってしまいました。しばらく、収量が減りましたが、最近しっかり雨が降ったので、明日から収量が増えそうです。
今日は、種取り用のナスも収穫しました。黄色っぽくなったので十分だと判断しました。種取り用のナスを収穫した後の樹には、どんなナスができるのか、とっても楽しみです。私は、またつやつやナスが実ると考えています。
農業はなんて面白いんだろう。ナス一つとっても、いろいろな実験ができ、うまくいったときにはすんごく嬉しいです。
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