2017年のお米作りを振り返りたいと思います。
3つの田んぼ
小島農園には、ツバメの田んぼ7畝、すずめの田んぼ2畝、かるがもの田んぼ8畝(そのうち日陰になる1.5畝は使わず)があります。
ツバメの田んぼは、りゅうの畑を開墾して2年目に、「田んぼ使わないか?」と地主さんに声をかけていただき使い始めました。ずっと田んぼとして使っていました。近くを散歩している農家のおじいさんによると、雪が降ってもすぐ融けるとってもいい田んぼだそうです。
すずめの田んぼは、2014年にはお米を育てていましたが、2015年には、ハトムギなどがいっぱい生えていました。2016年、どうにか雑草を抑えましたが、スズメの被害が多くてほとんど収穫できませんでした。さすがすずめの田んぼ。
2016年のすずめの被害がひどいので、隣接する休耕地(命名、かるがも)を借りることにしました。休耕地に生えるオオブタクサなどを足場にして、お米を食べに来ていたからです。7年ほどお米を作っていなかったようです。開墾の様子はこちら、「かるがもの田んぼ、開墾しました」開墾後も、畔づくりに1日(2人手伝ってくれて助かりました)かかりました。
田んぼの作付
ツバメの田んぼには豊里を、スズメの田んぼには「畑に行こうよ!」イベントでコガネモチを手植え、カルガモの田んぼにはササニシキと古代赤米の神丹穂を育てました。豊里は、自然農で有名な川口由一さんが育てられているものが、巡り巡って小島農園にやってきました。自家採種2年です。ササニシキとコガネモチは、岩手県の阿部自然農園さんから2016年に頂いたもので自家採種1年です。神丹穂は、2013年の上里町の種の交換会で、知人がいただいたもの、2015年の田植えで苗が足りなくなって苗をもらったのでした。自家採種2年です。2016年はたくさん収穫できたので、神丹穂100%のお餅を作ったら大人気でした。
田起こしと代掻き
雑草が生えるのが怖くって、田起こし3回、代掻き2回行いました。
2016年から使っているつばめとすずめの田んぼは1回目を1月に、開墾したかるがもの田んぼは2月に1回目を行いました。その後、3月に2回目、そして5月に3回目を行いました。代掻きは、6/1につばめとすずめの荒代を、6/3にかるがもの荒代を実施しました。用水に水がたくさん流れて、ようやく溜まりました。
代掻きをして分かったのですが、1回目の田起こしで均一に10㎝で起こすのが大切だと思いました。起こしたところと、起こせないところがあると、後で硬いところと柔らかいところが、耕耘するたびに段差が深くなってしまうのです。代掻きの段になって均平を取る作業がとても大変でした。
かるがもの田んぼは、2枚の田んぼで高低があったので、それを平らにするため、代掻きの後で板をひいて土を移動しました。またまた畔づくりを手伝ってくれた二人(実習生の田島さんと石井家)が手伝ってくれて助かりました。
田植えの2,3日前に植代を行いました。スズメの田んぼを6/8に、かるがもの田んぼを6/13に。荒代から1週間経過すると、その間に雑草の根が生え、それを掻きまわすことで除草効果が出るそうです。
代掻きが終わって、田植えをする前の田んぼは、それは美しいです。
みんなで田植え
シートに水を張って作った苗代では、苗の成長が途中で止まったように見えました。そこで、田んぼに水が入ってから苗を田んぼに移動したら、ぐっと苗が大きくなりました。すくすく根が育つ環境が大切だなと思いました。
まず、「畑に行こうよ!」のイベントとしてスズメの畑で大勢で手植えしました。
つばめとかるがもの田んぼは、田植え機で植えます。まずは、育苗箱の底にいっぱいでている根っこを切ります。育苗箱から、土ごと苗を持ち上げて、田植え機に置くためです。
植え残したところを、手伝いに来てくれた皆さんに補植してもらいました。
田植え機の掃除はこどもに人気!
チェーン除草
2016年は、さいたま丸ケ崎大西自然農園さんにチェーン除草機をかりました。
さいたま丸ケ崎大西自然農園の大西さんとチェーン除草機
2017年は、バストラック用のタイヤチェーンを購入して、自作しました。
田植え後に、チェーン除草を2回行いました。1回目は、植え代の1週間後が目安です。
自作のチェーン除草機が重すぎて、苗が倒れて、その上に泥がかぶってしまいました。1つずつ泥を取り除くという重労働となりました。
2回目の除草は、1週間後に行いました。このときは、藻がたくさん発生していたのですが、かまわずチェーン除草機を使用したところ、今度は藻が稲の上に被さってしまいました。また、1本ずつ藻を取り除くという大変な作業が発生してしまいました。藻がある場所は光が届かず、草も生えないだろうから、、チェーン除草機をかける必要がないということを学びました。このときの夕焼けのきれいなこと。水面を見ながら作業をしているのに、水面に映った夕焼けがきれいで、空を見上げたときの息をのむような美しさ。刻々とかわる夕焼けの様子、素晴らしかったです。
田車と手除草
チェーン除草を2回かけたあとは、田車と手除草をしました。
田車は、お隣の田んぼの方に借りました。稲の株をまたいで歩くだけです。株元をくるくる回る歯車が除草してくれます。こういう泥をかきまぜるような除草は、中耕の役割も果たし、根っこに酸素が届くようになり、稲がぐんと生長します。
手伝ってくれたみなさんのおかげで、神丹穂以外、全面田車をかけることができました。神丹穂を最後にしたら、大きくなりすぎて株を挟めなくなりました。かるがもの畑は、田車を押したときは、小さなヒエがいっぱい生えていましたが、その後消えてしまいました。田車が効果を発揮したのか、その頃増えてきていた藻が日光をさえぎったのか。
今年「草とり君」という除草下駄も試しましたが、こちらは草がある程度大きいときに使う除草器具だったようです。草を小さいうちにとりたい小島農園では使えませんでした。草が小さいのに使おうとすると、泥に潜って進めません。体重の軽い長男が、好んで使ってくれました。
丈ちゃんは、手除草をしていました。
田んぼの様子 ササニシキが出穂
すずめがいっぱいやってきた
一番初めに出穂した「こがねもち」にスズメが集まりました。もち米は特に美味しいようで、壊滅的被害を受けました。
ササニシキにもスズメが集まります。今年は、かかしを置いてみました。
そして、ロケット花火や爆竹を鳴らしました。100羽くらい集まっているところで、「パーン」とならすと、スズメが慌てて逃げていく姿をみんなで楽しんじゃいました。長男が氣に入って、学校から帰ってくるとスズメがいなくてもロケット花火を打ち上げて、「ここは危ない」というのをスズメに分からせることができたと思います。ササニシキは、スズメ害がありましたが、全滅は免れました。里芋が足場になって、里芋の近くのササニシキがいっぱい食べられました。隣の休耕地を田んぼにしたからスズメ害が減るかと思ったら、50m離れた休耕地からうちの田んぼにやってきます。近くにも田んぼがあるのに、わざわざうちの田んぼにやってきます。あれれー。
ロケット花火の音を懐かしがって、「昔はもっとロケット花火がなってうるさいくらいだったよ。スズメも減ったなー。」という散歩しているおじいさん。もっともっとスズメがいたのか。今でも十分いっぱいいると思っていたけど。すずめの食べるものが減ったのかな?
ようやく収穫、ササニシキの稲刈り
8月の長雨で今年の実りが心配でしたが、無事ササニシキは受粉して穂が重たくなりました。予定していた9/23(土)は雨のため9/26(火)に、コガネモチとササニシキの稲刈りをしました。ササニシキは、7年は休耕していた田んぼを使ったためか、育ち過ぎて穂が重すぎたのか倒れてしまいました。倒れた稲を起しながらの収穫は重労働でした。すずめが食べたところは倒れずに収穫しやすかったです。すずめが2割3割食べてくれた方がいいかもと思ったくらいです。
驚いたことに、雑草が皆無でした。休耕地でササやガマがいっぱい生えていたので、草ぼうぼうになると思っていました。7月時点でたくさんあったヒエの芽が大きくならなかったのがなぜか分かりません。藻かな?
今年は、去年の2倍の作付にしたので、稲を天日干しするための稲架が足りません。去年は、すべて育苗ハウスに移動して乾かしました。大西自然農園さんが「ほすべー」を使っていると聞いて調べたところ便利そうです。ほすべーの3脚を5本×8組購入して、単管パイプを横通しに使うことにしました。(写真をとってないみたい!)
1週間後に脱穀しました、籾付で300㎏、玄米に換算するとだいたい240㎏になります。嬉しいです。
2回の台風に負けなかった豊里
豊里がたくましく育ちました。今年は、10/23の台風21号、10/29の台風22号が通過したので、稲の倒伏がとても心配でした。驚くことに、ほとんどの稲が倒伏しませんでした。豊里の逞しさには惚れ惚れします。
そして、すずめの食害がほとんどなかったのに驚きました。去年は豊里も食害がひどかったのではやめに収穫をしました。今年は、かかしの与作に見守りをお願いしたのと、田んぼの北端、南端、中央の3か所に、防鳥糸を5本ずつ張りました。間隔を20㎝にしたのですが、もしかしたらこれが聞いたのかもしれません。そして、豊里の葉が、穂より高いところにつんつんと生えているのも、スズメが嫌がったのかもしれません(去年は食べられちゃいましたが)
豊里の方も雑草がほとんどありませんでした。一部コナギが育っていましたが、稲の成長の邪魔になるほどではありませんでした。自然栽培でここまで草が抑えられたことに、自分で一番びっくりしています。
1週間後に脱穀しました。途中ぱらりと雨がふる天気でしたが、4人手伝いに来てくれたおかげで、無事脱穀完了しました。本当にありがたいです。玄米に換算すると400㎏収穫できたようです。8畝で400㎏ということは、1反の場合は8俵越え(500㎏)と上々の成績です。
背が高くて倒れやすい神丹穂
今年も神丹穂が倒れてしまいました。古代米で150㎝くらいになります。去年倒れてしまったので、条間を広げてみました。どうやら、休耕地だったために肥沃で徒長してしまったのでしょうか。一番端の1列を残して全部倒れてしまいました。一番端の倒れていない1列を観察すると、空いたところが50㎝くらいありました。このくらい空いていれば自力で立ってられるのかと思いました。
田植え機は2条植ですが、来年は1条分だけ苗をセットして、50㎝間隔で植えてみようと思います。倒れると本当に収穫が大変です。今年は1日で収穫できるところまで刈って、あとは諦めることにしました。
来年に向けて
今年も学びの多い一年となりました。草を抑えることができたのは、本当に嬉しいことでした。スズメ害も去年より減ったようです。
来年は、ササニシキと神丹穂が倒伏しないように条間を広めにしたいと思います。
田起こし3回は必要なさそうなので、1月の田起こしをやめようと思います。自然栽培の仲間には、春に田起こししている人が多いからです。1月に眠っているカエルを起さなくていいのも嬉しいです。カエルは、今年は大活躍してくれました。
品種は今と同じく、豊里、ササニシキ、神丹穂にします。コガネモチはお休みします。
来年も4月の種の浸種から、お米作り頑張ります。
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