ここ数年気になっていたお米の食味分析をしていただきました。
川越の石井農機さんのフェアで静岡製機さんが出店していて、1検体1000円で計測してくれるのです。
玄米水分量、タンパク質、アミロース、脂肪酸度、そして総合評価の食味値(スコア)を出してくれました。
うるち米3品種を計測していただきました。結果、ササニシキと銀坊主が食味値80点という高い値が出ました。日本晴も79点と十分高いです。
お米のコンクールで受賞を目指すなら、静岡製機の食味検定で食味値85点を超えないと2次審査に行けないそうです。
今年の猛暑がスコアに影響しているか?来年も食味分析をして、品種と気候と食味値の関係を探りたいです。
ササニシキ 食味値80点
ササニシキは次の通りでした。
玄米水分量14.3%
タンパク質7.2%
アミロース16.1%
脂肪酸度13%
食味値80点
銀坊主 食味値80点
銀坊主は次の通りでした。
玄米水分量13.1%
タンパク質7.2%
アミロース17.4%
脂肪酸度11%
食味値80点
日本晴 食味値79点
日本晴は次の通りでした。
玄米水分量13.9%
タンパク質7.2%
アミロース17.3%
脂肪酸度14%
食味値79点
食味値の平均値
つくば分析センターで2012年から2022年に行った食味分析の最小値、最大値、平均値が公開されていました。
食味値の平均値は77だったそうです。
食味値と収量は関係があるか?
今まで、収量とタンパク質含有量と食味値に相関関係があると聞いていました。
窒素肥料を施肥しすぎると、収量が上がるけれど、タンパク質含有量が高くなり、食味値が下がるということです。
肥料を与えない自然栽培だと1反で6俵(360㎏)取れれば合格と言われていて、6俵くらいの収量がおいしいと言われています。
根拠を調べるためにネット検索していたら、興味深い資料を見つけました。
山梨県北杜市では「名水の里」米食味コンクールを令和3年から開催しています。第1回と第2回のコンクールを終えて、市職員がまとめたコンクールの食味分析を分析した資料です。
第2回食味コンクールを開催して想うこと
収量が1反700㎏(約12俵)でも食味値85点が出ていました。今まで聞いていた理論と違いました。
様々なグラフを見ても、反収とスコアにゆるやかな相関しか見れず、収量が高くて食味値が高いお米もたくさんあるようです。素晴らしい技術だと思いました。
米粒を見つめる
現代農業2023年12月号にお米の1等米、2等米、3等米、規格外の米粒の写真がありました。
今年の猛暑で、新潟では、1等米3.3%、2等米、3等米、規格外が3分の1ずつだったそうです。
背白が多かったそうです。背側のでんぷん密度がスカスカで白濁しているそうです。心白(中心が白い)のもありました。
うちのお米はどうだろうと写真を撮って見つめてみました。
ササニシキは早生で9月18日に収穫しました。2023年の2か月続いた猛暑の影響を一番大きく受けました。
玄米の背側が白くなる「背白粒」が3分の1くらい見えます。胴割れしたお米がいくつかありますが、高温が続いたにもかかわらず胴割れ米は少ないです。
日本晴は10月2日に収穫しました。同じ日に田植えをしたのにササニシキよりも2週間後に実りました。
背白粒がほとんどありません。胴割れして半分になっているお米がササニシキよりも多いです。胴割れの線だけ入っているお米は少ないです。ササニシキよりもきれいな「完全米」が多いのではないでしょうか。現代農業の等級写真を見ると一等米に近いです。
銀坊主は10月7日収穫です。ササニシキよりも背白がすくないですが、未熟米や胴割れ米が少し多いです。全体的には完全米が多いです。
新潟では、用水が最後に止まってしまったのも等級に影響したでしょうか。飯能では用水が9月まで使えてありがたかったです。
今年は台風が来なかったのも、用水不足に影響していると思いました。台風は困ることも多いけど、来ないと水不足という別の問題も発生します。
今まではお米を収穫して乾燥するまでで精一杯でしたが、今年は一歩踏み込んで、お米の味や出来まで少し考えることができました。
おいしいお米を作っている先輩方は、どんな工夫をしているのかな。自然栽培勉強会で質問してみたいと思いました。
コメントを残す