アキアカネの一生と大移動の研究

長男と一緒にアキアカネの調査研究をした記録です。飯能市の社会科研究展に出品した内容に、私の情報も加えています。
アキアカネの大移動の調査結果がとても興味深いものだったのでホームページで公開することにしました。

長男とは2021年に田んぼの生き物調査をしました。
田んぼの生きもの観察 小島農園のコイとナマズの田んぼ 2021

調査のきっかけ

2021年に田んぼの生き物調査をしたときに、宮城県の「むかい*いきもの研究所」のむかっち先生から「この自由研究で出てきた発見をもとに、内容を絞り込んだ研究をしてみると、知識をより深めていけると思います。」とアドバイスをいただきました。長男に何を研究する?と聞いたら、2020年に見たアキアカネの大移動が一番心に残っていたそうで、アキアカネの一生と大移動を調査することにしました。

調査の方法

  • 6月に、田んぼにアキアカネのヤゴがいるかを、網で捕まえて確認する
  • 7月に、田んぼでアキアカネのヤゴが羽化するか、ヤゴの抜け殻とアキアカネの成虫で確認する
  • 8月に、山で避暑をするアキアカネを探す。
  • 9月に、アキアカネの大移動は、どこを移動するか、自転車や車で追いかける
  • 9月以降、自宅や田んぼで、アキアカネの産卵の様子の観察、産卵がいつまで続くか、アキアカネがいつまで生きているか観察する 

調査する場所

 アキアカネのヤゴの確認、羽化、産卵の調査を小島農園の無農薬の田んぼで。
 アキアカネは暑い夏は800mを超える山で避暑する。夏の山も調査する。
 9月20日ごろに大移動をする。アキアカネを追いかけながら調査する。

 精明地区下川崎にうちの田んぼが4枚(合計4.5反)ある。上流から、ドジョウ、フナ、コイ、ナマズと名前をつけている。田んぼの用水は宮沢湖から流れてきている。途中で平松地区の家庭排水が入っている。隣接する田んぼは、除草剤を使用する慣行栽培をしている。

田んぼの農作業

うちの田んぼは、肥料と農薬を使わない方法で米作りをしている。
3月 1回目田起こし
5月 2回目の田起こし
5月 下旬に水を入れて1回目の代掻き
6月12日 田植え
6月~7月 除草(中干をしないで、ずっと水を張っている)
9月、10月、稲刈り

アキアカネのヤゴの成長と羽化

2022年6月25日 ヤゴの捕獲

田んぼの除草の日、こどもたちはヤゴを捕まえた。12匹捕まえて、どれもアキアカネのヤゴだった。

ヤゴを捕獲中

ヤゴを捕獲中

捕獲したアキアカネのヤゴ

アキアカネの羽化の観察

2022年7月14日 早朝から田んぼの除草をしていたら、羽化の途中のヤゴを発見。こどもたちも田んぼに来てもらって観察してもらう。本来アキアカネは夜に羽化するので、朝に羽化するのは珍しい。2時間ほど田んぼにいたて、羽化を観察していたトンボの翅が広がるところまでは確認できた。ヤゴの抜け殻の形とトンボの胸の模様を確認したところ、アキアカネだということが分った。

はねが伸び始めたトンボ

はねが伸び始めたトンボ

かなり羽が大きくなった

かなり羽が大きくなった

はねが全部伸びた

はねが全部伸びた

稲にはほかにも何匹もトンボが止まっていた。霧雨のためか、翅に水がいっぱいついていた。中には、水面に落ちておぼれていたトンボもいた。飛んでいるトンボもいたが、ふらふらしていた。
アキアカネの羽化がいつまで続くか確認するために、7月18日も田んぼでアキアカネを探したら、稲にアキアカネが何匹もいた。

2023年は、ナマズの田んぼで2022年と同じくらい羽化していた。多いところでは1つの稲の株に2,3個ヤゴの抜け殻があった。2つ隣のコイの田んぼで羽化(ヤゴの抜け殻)少なかった。コイの田んぼで毎年多かった藻のアミミドロが2023年はとても少なかった。上の田んぼとコイとの境界の畔に穴ができていて、上の田んぼの水が入ってきていた。上の田んぼの除草剤の影響があるのではと思った。ナマズの田んぼの隣は畑になっていて、間に深い堀があるので、除草剤は入ってこない。

周りの田んぼでは、7月上旬から中干を始めるので、ヤゴやオタマジャクシなど田んぼの生き物が死んでいる。他にも、お米の苗作りのときに殺虫剤を、田植えの前または後に除草剤を使用しているそうだ。隣の田んぼでヤゴが羽化するのは観察できなかった。秋にどの田んぼにもアキアカネが産卵していたけれど、ほとんどが成虫になれなかったのではないかと思う。アキアカネは水たまりにも産卵するので、田んぼ以外でも成虫になれない卵はたくさんある。

アキアカネの避暑

アキアカネは羽化した後、暑いのが苦手なので標高の高い山で避暑する。秋になって涼しくなると産卵のために田んぼに戻る。飯能の山でアキアカネが避暑しているか調査した。

毎年9月10日ごろ、顔振峠の近くの畑でたくさんのトンボをみかけていたので、顔振峠と標高が800mに近い関八州見晴台にアキアカネがいるか調査してみた。

2022年7月30日 アキアカネがいないことを確認

顔振峠と関八州見晴台にアキアカネを探しに行った。顔振峠ではトンボが飛んでいなかった。草に止まっていたミヤマアカネを一匹見つけた。関八州見晴台に到着したのは10時ごろでもう暑くなっていて、トンボははいなかった。しばらく待っていたら曇って涼しくなった時に赤とんぼが3匹出てきて枯れ木に止まった。写真を撮り、拡大してみたら、羽の付け根がオレンジ色のネキトンボだった。アキアカネは発見できなかった。

2022年8月23日 アキアカネを数匹確認

朝9時半 顔振峠の近くでアキアカネを捕まえた。10匹以上のウスバキトンボがずっと飛び続けていて、アキアカネは2匹電気柵の線の上に止まっていた。関八州見晴台にも確認に行ったところ、途中の高山不動尊近くの旧駐車場にもウスバキトンボとアキアカネが数匹いた。関八州見晴台では、山道のつつじや山頂から見える枯れ木の上にアキアカネが10匹以上止まっていた。遠くので網で捕まえることができず、双眼鏡で模様を確認したけれど見えなかった。

アキアカネやウスバキトンボを追いかける

アキアカネやウスバキトンボを追いかける

ロープに止まるアキアカネ

ロープに止まるアキアカネ

捕まえたアキアカネ

捕まえたアキアカネ

2022年9月11日 1000匹以上のアキアカネを確認

顔振峠の近くの畑に10時から15時くらいまでいた。10時到着すでにアキアカネが大量に飛んでいて1000匹ぐらいいた。イノシシ除けの電気柵にたくさんとまっていた。ウスバキトンボはほとんどいなかった。ショウジョウトンボ、ミヤマアカネ、オニヤンマ、ナツアカネも数匹いた。電柵にいるのは、虫取り網で3匹まとめて一振りで捕ることもできた。手でも簡単に取れた。昼ご飯の時に畑の隣のレストラン「ベラビスタ」の人に聞いたら、毎年早いときは8月下旬から遅いときは9月下旬まで飛んでいるそうだ。午後になってウスバキトンボが増えてきた。例年は暑いお昼ごろにはいなくなってしまうが、15時になるまでずっと飛び続けていた。気温は汗ばむぐらいの暑い日だった。顔振峠は避暑地ではなくて、大移動の前の中継地点ではないかと思った。

飯能の境界にある顔振峠。遠くに高い山々がみえる。

飯能の境界にある顔振峠。遠くに高い山々がみえる。

飯能市の棒ノ折山(標高969m)に8月上旬にいるらしい

「2022年8月8日 飯能の棒ノ折山(標高969m)でアキアカネの群れに出会った」という記事が「やまうぉーくYAMAWALK」にありました。アキアカネの胸の模様が分かる写真も掲載されていました。飯能に8月上旬にアキアカネが避暑していると確認できて嬉しいです。この夏、棒ノ折山でアキアカネを捕まえたかったのですが、天候不順で予定していた日に行けませんでした。来年以降また8月上旬に行って、アキアカネを見つけたいと思います。

アキアカネの大移動

2015年 はじめてアキアカネの大移動に出会う

2015年にはじめてアキアカネの大移動を見ました。当時のFacebookには次のように書かれていました。

先日たぬきの畑で夕方、「お母さん、トンボがたくさんいるよ」と長男の声。ふーんと思いながら作業を続けていたのですが、ちょっと一息ついたときに空を見たら驚くほどのトンボが、北西の方から、東南の方に飛んで移動していました。まさに大移動。「とんぼよー、どこーえー、おまえは、どこえ、とんでいく?」という感じです。長男は追いかけていきました。すんごく後追いたい氣持ちでしたが、仕事が終わらないー。
調べてみたら、「黄昏飛翔」というのがあるそうです。これですね。見える範囲だけでも私には1000匹はいたように思います。それが20分くらいずっと同じ方向に飛び続けていたから、1万匹以上いたんじゃないかな?
http://ikimonotuusin.com/doc/343.htm
自然が多かった昔は、目にすることもあったけど、今はごくまれな光景らしい。いやー、びっくりしました。さすが、山もあり、川も流れる、自然環境豊かな飯能市ですね。

後日これは黄昏飛翔ではなく、「アキアカネの大移動」だったと分かりました。

2021年にアキアカネの大移動に再会

 
2015年にアキアカネの大移動を見てからずっと、アキアカネの大移動は見ていなかった。気づかなかったのかもしれない。
2021年9月21日、自宅の北側から屋根の上を通ってアキアカネが移動していた。久しぶりにアキアカネの大移動に出会って嬉しかった。長男はアキアカネを追いかけた。そのときの長男の記録。

アキアカネは田んぼに沿ってどんどん東に向かって飛んでいた。どんどんアキアカネを追いかけたところ、聖望グラウンドの森の中に入っていくトンボがいた。もしかしたら、森の中に入ったトンボは、この日はここで休むのかもしれない。1,2か所で、北側から田んぼ沿いに合流するトンボの群れがあった。日高カントリークラブの森までトンボは飛んで行って、道がなくなり追いかけることができなくなった。
 9月22日は、母と車でどこからトンボが来ているのか知りたくて、巾着田のほうまで行ってみた。巾着田では北側の山の方から飛んできていた。県道15号を川越方向に進むと、北から南に向かってトンボが移動していた。特に大量のトンボはいなかったので女影交差点まで追跡して、次は聖望グラウンドのほうに行った。17時ごろ、次々と日高カントリークラブの森にトンボが入っていった。アキアカネは、その先の川越のたんぼまで飛んで行ってるかなと思った。

地図に9月21日に自転車で通ったルートを水色の線で、9月22日に車で通ったルートをオレンジ色の線で描いた。確認したトンボの飛ぶ方向を黄色い矢印で書いた。

2022年のアキアカネの大移動を追跡した地図

2022年のアキアカネの大移動を追跡した地図

2022年の調査

2022年は、いつから移動が始まるか?飯能市内の各地でアキアカネがどの向きで移動するのか?いつまで移動するのか?を調べました。
9月12日~9月20日は、「9月21日のアキアカネ大移動」の前段階でした。 詳細は最後に「9月12日から9月20日までの調査の詳細」で記載しました。

9月12日17時~18時 初めてアキアカネの移動を目撃
9月13日6時~ 7時 アキアカネの移動を確認
9月14日~ 9月20日 ①朝や夕方に移動、②連結して産卵、③全然いない日など、日によっていろいろ観察
川に向かって飛んだり、川の近くでは上流から下流に飛んでいた

2022年9月21日 アキアカネの大移動 川越市の落合川まで行く

 
自宅で、13時に移動しているアキアカネがいて、14時くらいまで移動が続く。ハート型につながり交尾しているアキアカネを発見。
14時ごろに一旦移動がほとんどなくなったけれど、14時20分ごろ団体がきて16時にアキアカネの追跡調査に出かけるまで途切れなく移動していた。

16時からアキアカネの移動を車で追跡開始。9月13日に調べた小畔川沿いの道を進むと、今回は移動中のアキアカネがいっぱいいた。ずっとアキアカネがいて、越辺川と小畔川と入間川が交わる川島町の落合橋に17時15分に到着。アキアカネを追跡していたら、3つの川が集まるところにたどり着いて、それぞれの川の上をたくさんのアキアカネが飛んでくるが見れてすごいなって思った。越辺川の上空を下流に向かって移動するアキアカネが一番多かった。真ん中の小畔川は川幅が一番小さくアキアカネの数も他より少なかった。

後日気象データを確認したところ、18日に96㎜、19日に20㎜、20日に22㎜の雨が降っていた。21日にようやく晴れて大移動をしたのではないかと思った。尚、2021年も9月21日にアキアカネの大移動を観測した。
9月22日、24日、25日、27日、28日にも移動するアキアカネを観測した。

アキアカネの大移動 まとめ

アキアカネの移動は、朝6時から暑くなる前までと夕方16時過ぎから日没の18時ごろまでが主だった。涼しい日はもっと長時間移動していることもあった。
2021年は、日高カントリークラブまでアキアカネを追いかけて、あとは川越の田んぼまで行くだろうと予想をした。2022年は、どこまでも追いかけようと決心して、川越市の落合橋まで追いかけることができた。たくさんのアキアカネが川のようにひたすら前へ前へ飛んで行く様子は、神秘的にも感じた。
毎日観察していると、アキアカネが移動する日と雨でもないのにアキアカネを一匹も見ない日があって不思議でした。どんな日に移動して、どんな日に移動しないのか?まだ理由は分かりません。

2023年は猛暑日が長く続いた影響もあってか?9月21日には大移動がなかった。9月26日に飯能付近を大移動していたので、9月27日ごろに落合橋を移動していたかもしれない。

荒川沿いの他の地域でアキアカネを観察した情報

うちの前の小川は、小畔川になり、入間川に合流して、最後荒川になり、東京湾に注ぎこむ。うちの前を通ったアキアカネが東京湾まで到達しているかもしれないと思い、荒川沿いのアキアカネの目撃情報を探した。

「自然しらべ2014 赤とんぼさがし! トンボの目録」では、2014年7月から10月に全国で赤とんぼを調査した結果が表になっていました。荒川沿いの目撃情報をリストアップしました。

10月19日 埼玉県大里郡寄居町用土  田んぼ生きもの公園
10月12日 埼玉県上尾市平方 
9月12日 埼玉県日高市大谷沢
9月28日 さいたま市 桜草公園
10月18日 さいたま市 花の丘公園
10月19日 埼玉県朝霞市岡  黒目川沿い
10月9日 埼玉県川口市鳩ヶ谷緑町
10月7日 東京都港区北青山
10月17日 東京都新宿区内藤町  新宿御苑

都心の新宿御苑にもアキアカネが観察されていたので、皇居にもいるのかと思って調べたら、宮内庁のホームページに皇居にもアキアカネがいると記載されていました。

荒川の一番下流の江戸川区で検索したところ、公益財団法人 えどがわ環境財団のFacebookページ、2016年6月下旬の投稿で「先週、行船公園ではたくさん羽化したようで早朝の職員の観察会では、30匹以上が見られました。」と書いてあった。

行船公園自然動物園は、東京湾の直ぐ近くで、ほぼ海まで到達していたことに驚きました。うちの前からだと約70㎞、山からを考えると100㎞以上も飛んでいるという事実に驚きます。いつも木の枝や電線の上で休んでばっかりで、移動は朝と夕方の数時間だけなのに、本当にすごいです。都心の新宿御苑や皇居にもアキアカネがいると知って驚きました。皇居や新宿御苑などの緑は、生き物にとっても大切な役割を果たしているのだと思いました。

9月12日から9月20日までの調査の詳細

9月12日 17時15分から18時(日の入り17時54分)
17時15分ごろ、家の裏の森を超えて、アキアカネが移動してきたのに気づく。北からやってきて南に行った。(地図水色①)
どこまで行くのか、飯能日高消防署高萩分署(地図水色③)まで追跡した。第二用水平松線用水路と、うちの前の川が合流する地点までたくさんいた。(地図水色②)
日高カントリー(飯能日高消防署高萩分署の道を挟んで向こう側)に入っていくようなトンボもちらほらいた。が、ザ・パック(株)東京工場の裏(地図水色④)辺りで、野宿するような団体もいた。ほとんどが、聖望グラウンドの下、ニチバンの裏辺り(地図水色⑤)で休息していたと思う。
飯能日高消防署高萩分署に行った後、聖望グラウンドへ道を上り、女影の田んぼ道を西に行き、上鹿山を通って宮沢湖のダムのダム側に行った。かなりのトンボがいたが、着いてから数分すると、たむろするようになり、移動をやめていた。18時ごろだったので活動をやめたのだと思う。
宮沢湖に行く途中、県道30号を渡っていた。高麗川団地の辺りもかなり道を渡っていた。かなり高いところを飛んでいた。
女影の辺りでは、川上から川下の方向に飛んでいた。
自宅の周り(地図水色①)と合流地点(地図水色②)の辺りで、たくさんのトンボがたむろしていた。

9月13日朝(日の出05時22分)
朝6時過ぎ自宅の上をトンボが移動しているのを確認したので、下加治の方にアキアカネの調査に向かった。
川崎・平松の田んぼ(地図ピンク①)では、トンボが下流に向かって移動していた
精明小の付近(地図ピンク②)は、少しだがアキアカネを観測できた。
朝6時30分、小久保隧道から奥の鉄塔(地図ピンク③)まで行った。西から東の久邇ゴルフに移動していた。
精明小学校とラノーラさんの間辺りにある田んぼ(地図ピンク④)では、北から南に向かって飛行していた。
平松の農業法人精明の田んぼ(地図ピンク⑤)を通って飯能生コンまで見たが、トンボはいて、一部は下流(東)に向かって飛んでいたたが、時間が遅くて、停滞しているものが多かった。
7時を過ぎたら停滞するようになり移動が終わった。

 9月13日夕方(17-18)日の入り17時53分

アキアカネが飯能日高消防署高萩分署から、小畔川に沿って笠幡の方まで行くと予測し、何とか県道15号沿いの高速道路と交差しているところの近くのセブンイレブン日高高萩店から、小畔川沿いに笠幡駅の近くの尾崎神社(地図黄色①)まで行った。行きは、トンボはまったくいなかった。
帰りに、コンビニの近くで森から出てくるこれが先頭だろうと思われるトンボを数匹確認した。
帰り、霞が関カンツリーに行くために、圏央道の側道を走行中(地図黄色②)に、圏央道を渡ってきたトンボが東から西へ、みちを何匹もわたっていた。
霞が関カンツリーの近くの南小畔川(地図黄色③)は、上流から下流に向かって飛行しているのを数匹確認した。18時ごろ移動が確認できた最後の時間

9月14日
朝電線に2匹確認
夕方一匹も確認できず。アキアカネが消えた。
笠幡まで行ったけど一匹もいない。15時に風が強かった時に移動したのか?

9月16日 
夕方 自宅上空で大移動を確認

9月17日 稲荷町、飯能河原、阿須方面の調査
稲荷町のおいでよハウスさん(地図①)で朝10時にアキアカネを発見。16時に飯能河原(地図②)で北から川に向かって移動するのを確認。入間川沿いに県道195号を阿須方面に車で移動すると、加治橋の手前(地図③)では川から東に向かって(加治小の方)に向かって飛んでいた。駿河台大学付近(地図④)では大学から川に向かって移動していたが、阿須グラウンド(地図⑤)まで行くと南の山に向かって飛ぶものと、入間川を下るアキアカネがいた。仏子小学校付近(地図⑥)で南の山に向かって飛ぶものがいた。仏子駅から北上して中橋(地図⑦)では川を東に下っていた。
(川越市増形の知人の家の畑でアキアカネ初観測 地図⑧)
9月18日 
雨で朝はトンボを見なかった。

9月19日 
朝6時24分 ほとんどが連結して移動、産卵も確認。9時から雨
9月20日 
8時に自宅でアキアカネを大量に発見したので、田んぼで産卵するか確認するためにドジョウの田んぼに行った。たくさんアキアカネが飛んでいるけど連結しているアキアカネは1時間いて3組くらい。雨がわりと降っても飛んでいた。9時ごろにトンボが少なくなった。

産卵

トンボはオスがメスの頭をつかまえて連結する。連結するとメスがオスのおなかに一番お尻の部分を当てて受精する。他のトンボと違い、アキアカネは生息場所で連結して、産卵場所に連結飛行し、連結しながら産卵する。連結しながら産卵したほうが、他のオスにメスを取られることがないらしい。

2021~2023年に自宅の前の水たまりと田んぼで産卵を確認した。うちの田んぼの上でオスとメスが連結飛行していて、卵を産んでいた。ほかにも自宅前の水たまりや、道路の水たまり、田んぼなど水のある所はどこでも産卵していた。

9月21日、ハート型につながり交尾しているアキアカネを発見。メスを捕まえて、水におしりを打たせたら、卵が出てきた。1個出て、また1個出た。1個と思われる丸は、20個くらいの卵の塊で、水に入るとバラバラになった。オスもお腹付近を触ると水が出てきた。

アキアカネの受精

アキアカネの受精

アキアカネの産卵実験

アキアカネの産卵実験

10月5日までアキアカネの産卵がよく確認できた。11月17日にもメスを捕まえたらまだ卵が出てた。
最後に連結を観察したのは12月2日で、翌日霜が降りた。12月6日には最後の単体のアキアカネを観察した。12月7日には強めの霜が降りた。

9月18日から12月までのアキアカネの数、天気、産卵の有無の表
2022年9月

2022年10月

2022年11月

2022年12月

9月25日から12月6日までのアキアカネの産卵と存在の調査 詳細

9月25日 
8時ごろに、自宅の上空をつながってるアキアカネが10組くらい飛んでいた。家の前の砂利で川になってるところで産卵しているのが一度に3組くらい。連結して移動している子も少し。8時半には自宅上空にアキアカネがいなくなる。10時ごろ自宅近くにはウスバキトンボが増える。飛び方が違うし大きさが違うのでわかる。

10時から13時まで田んぼで稲刈りのとき、アキアカネやナツアカネが連結していた。ナツアカネは稲の上から産卵するし、オスが胸まで赤いのでわかる。ミヤマアカネの連結もいた。周りのどの田んぼにも、アキアカネは産卵していた。15時半ごろから自宅にアキアカネが増えた。16時ごろは移動しているアキアカネを確認した。

アキアカネは雨が続いた後で水たまりに産卵するようで、25日の前に雨が続いていた。

26日から30日までは晴れが続いて、アキアカネの産卵が続いた。田んぼの水や水たまりの水が少なくなった。

9月30日、朝8時から連結したアキアカネが田んぼに到着、産卵。晴れ続きで田んぼの水がほとんどなく、取水口の周りに水が溜まっているところに、アキアカネの連結したのがたくさん集まる。アキアカネのために、水を止めていた田んぼに水を入れたら、やってきた連結のアキアカネが産卵を始めた。

10月5日までアキアカネの産卵がよく確認できた。

11月2日、雨が夜に降った翌日。マルチシートを張った畑の上を4組ぐらいの連結のアキアカネがいた。1組がヘアリーベッチの草に絡まっているように見えたので、助けようとしたらメスの足が指にくっついてはなれない。よく見るとメスは連結したくないけど、頭がもげるくらいにオスのしっぽの先が頭に食い込んでた。逃げたいのに逃げれない様子でかわいそうだった。

11月7日、飛行に力がなく、連結させられているメスが嫌がってるように見える。
11月17日、雨の日の翌日、自宅の水たまりで連結を3組発見。1組捕まえたら卵出てた。
11月20日、大豆の収穫の時、アキアカネがいた。飛んでる虫を捕食したのを観察できた。

最後に連結を観察したのは12月2日で、翌日霜が降りた。12月6日には最後の単体のアキアカネを観察した。12月7日には強めの霜が降りた。

まとめ

アキアカネの移動は、自宅の庭から見れたので、毎日確認することができた。まさか12月まで生き続けるとは思わず、観察を続けるのは大変だった。
雨のあとは家の前にちょろちょろと水が流れるので、産卵もそこで観察することができた。毎日確認することで、天気や気温もアキアカネの行動に関係していることが分かった。オスに捕まって無理やり連結させられて、いつまでも卵を産んでいるメスがいて、かわいそうだった。

セミは羽化して1週間で死んでしまうのに、アキアカネは7月に羽化して山に行き、9月に平地に戻ってきてから1か月近く産卵を続け、寿命が長い個体は12月まで生きのびていて驚いた。除草剤を使う田んぼや中干をする田んぼに産卵したアキアカネの卵は成虫になれないのに、川を下るたくさんのアキアカネはどこで育ったのかとても不思議。

アキアカネの大移動は特に、いつ移動するか分かりにくく、また移動時間も朝1時間、夕方1時間、日数も少ないなので追いかけるのが大変だった。落合橋でみた3つの川から流れてくるアキアカネの様子は、生涯忘れることがないと思う。ぜひ、たくさんの人にアキアカネの大移動を見てほしいと思った。

カテゴリー: 生き物調査

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