大豆を栽培すると土がやせる⁉

大豆と小麦を輪作しているヤギの畑の地力があんまり上がっていないと感じています。
2つ隣のクマの畑では、ライ麦と大豆を毎年栽培していて、地力が少しずつ上がっていると感じています。

違いは、クマの畑のライ麦は、10月中旬に大豆の畝間に手播きしていることです。トラクターで耕しません。翌年ライ麦を6月に収穫してから、大豆を播くまでに2回耕耘します。

ヤギの畑は、10月下旬に畑を耕耘してから小麦を播き、7月にまた耕耘して大豆を播きます。大豆のあと次の10月まで約1年間は、別の野菜を育てるのですが、春に1回耕耘します。

ヤギの畑の作付は、このブログに表にしています。
2020年 小麦の収穫 計517㎏でした

どちらの畑も、麦わらは今のところ持ち出しています。

数年前に、北海道の先輩農家さんが「大豆を育てると土がやせるから、大豆を作るのをやめた」と言っていたのを思い出しました。そこで、お尋ねしたところ、ざっくり2つのことを教えてもらいました。(他にもいろいろ教えてもらいました)

1.砂地でもともと有機物が少ないところで、大豆の中耕によって裸地が増えると酸性化して、地力が弱くなっていく感じがした。スイカやメロンをマルチをして栽培している方が、地力がキープされていると感じている。
2.大豆は水が好き

1は、私がヤギの畑で感じていることに近かったです。「大豆 水」で検索したら次の資料を発見しました。10個くらいの研究が1つのPDFファイルになっています。
大豆栽培技術の現状と課題

ここに「大豆の窒素固定は土壌水分そのものと根粒への酸素供給に極めて敏感」と書いてありました。今まで、大豆はやせ地でよく育つと思い、乾燥した畑を選んでいたのですが、「水が好きだったのか―!」とびっくりです。

他にも冒頭の部分も興味深かったです。大豆は窒素固定を行うけれど、その7割が子実に集まること。収穫後の有機物も少ないこと。

近年、単収の増大が著しいアメリカ合衆国の中西部コーンベルト地帯では、トウモロコシ栽培で地力が高まり大豆がそれを消耗させる栽培体系となっていることが知られている。トウモロコシ栽培では、窒素肥料多投と高い作物体残渣量により土壌の有機物と有機態窒素が高まり、一方、大豆は根粒が相当量の窒素固定を行うものの、集積した窒素の約7割は子実で持ち出され収穫後の植物残渣も少ないため、基本的に地力を消耗させる作物であることによる。このトウモロコシとの輪作体系における地力の維持・向上が、アメリカ合衆国の大豆単収を向上させている重要な要因である。

ここから自論ですが、

夏場の大豆栽培は、次の3点で土を疲弊させるようです。
1.大豆播種前の耕耘によって、土壌有機物を消耗する。夏場なのでその量は大きい
2.大豆の中耕によって、さらに土壌有機物を消耗する。
3.イネ科や大型マメ科緑肥に比べて、大豆は畑に戻す有機物量が少ない

ライ麦と1年に2毛作している畑は、地力アップしています。小麦と輪作している畑では、小麦のわらをすき込んで地力アップを試みたいと思います。

土のことを考えると、自然栽培とは何か?と思うことがあります。

自然栽培を突き詰めている先輩には、「物質収支に囚われるべきでない」と言われることがあります。足すことを考える必要はないと。どんどん畑から持ち出しても、作物は立派に育つ例もたくさんあります。

私は、土の中にもたくさんの生き物がいて、地上にもさまざまな生き物がいる、いろんな草が生えている、近くに川が流れ、森がある、今の田んぼエリアが大好きで居心地がいいです。土壌微生物が多様で元気な土を作るためには、有機物はある程度いっぱいあったほうがいいのではと思います。

自然栽培という名前であり続けるのか分かりませんが、私なりの土づくりをこれからも探求していきたいなと思います。自分の好き勝手に、いろいろ考えて、検証して、研究できる農業という仕事が、とても楽しいなと思います。

除草剤をずっと撒いていた畑も、いろんな草を生やして観察中です。

カテゴリー: 土作り

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