2021年1月23日(土)24日(日)に、埼玉県で無肥料自然栽培勉強会が開催されました。
新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が発令されている中でしたが、開催されました。今年初めて、Zoomで参加可能になりました。
緊急事態宣言中ということもあり、Zoom参加の方が多かったです。私は、事前に発表の希望を申請して、発表する機会をいただきました。なので、参加して大丈夫かな?と思いながらも参加しました。さすが自然栽培の猛者の皆さんは、コロナなんて大丈夫という方が多かったです。
2日間の日程が終わって、まだ胸がドキドキしています。眠れないので、心が熱いうちにブログにまとめます。毎年、勉強会の後は、興奮して眠れなくなります。たくさんの人に出会い、刺激を受けて、ためになることをいっぱい教えてもらって、心の在り方も見直すきっかけにもなります。
1日目は7名が発表しました。
サン・スマイル社長の松浦さん
山梨県北杜市 わたなべ農場さん
埼玉県飯能市 のっぽファームさん
北海道 大きなかぶ農園さん
埼玉県飯能市 小島農園(私)
京都? NPO無施肥無農薬栽培調査研究会
山梨県北杜市 八ヶ岳南麓ファーム
最後に、1時間全体シェア会がありました。
2日目は、雨風の中、圃場見学でした。私は雪の心配があったので自宅でZoomで参加することにしました。
明石農園さん、関野農園さん、渋谷農園さんです。
2日間の様子を簡単にご説明します。
その前に、今までの勉強会の様子もリンク張ります。
無肥料自然栽培勉強会 2019 at 東京ビックサイト
無肥料自然栽培勉強会2018の様子
無肥料自然栽培勉強会に参加しました
思いが集った無肥料自然栽培勉強会
サン・スマイル 松浦社長
松浦社長は、自己紹介とコロナ禍における流通小売りの状況について。「幸せ」というキーワードが出ました。自然栽培パーティの紹介もあり、障碍を持った方たちが育てる野菜(トマト)がとてもおいしかったそうです。純粋な心で育てられた野菜だからかなと。身近なところにも福祉施設はたくさんあるので、ぜひ連携してくださいとのこと。たくさんの大切なことを話してくださったのですが、うまく書けないので、ぜひ本人から話を聞いてください。全国の自然栽培農家を知っていて、自然栽培を続けるために大切なこと、作ったものを販売するために大切なことをいっぱい知っています。
なお、小島農園では、飯能市のにこにこハウスさんに1.大豆の選別、2.大根やインゲン豆の種採りなどお願いしています。日高市のふわふわベーカリーさんは、小島農園のライ麦を購入してくださり、パンを作っています。まだ畑に来て手伝ってもらったことはないのですが、いつか来てもらえたらなと思っています。
山梨県北杜市 わたなべ農場さん
わたなべ農場さんは、6年間の農業の様子を1年ごとに、「苦労」と「感謝」に分けてリストアップ。Facebookで日々頑張っている様子を知っていたのですが、そうだったんだと、苦労も多いけど、ありがたいこともいっぱいあったんだなって。共感します。売上と家族の幸せと、大切なのは家族のほうだと実感されたというのが印象的です。
余談になりますが、2017年の勉強会で北海道の秋葉和弥さんにもらった言葉を思い出します。
無肥料自然栽培勉強会に参加しました
機会があって、家族と家族の健康を一番大切とする農業を選んだのだから、どんな苦境がきても、大切なものは守っていると心を強くしていること。
農業は、稼げなくて不安になることもあります。このやり方でいいのかな?って思うこともあるんですが、秋葉さんの言葉が背中を押してくれます。小島農園も大切なのは家族、家族が楽しく健康でいること。会社員として働いていた時より、自分の好きにできることが多く、楽しい時間がほとんどです。家族と一緒にいる時間もとても多いです。(いつも仕事ばっかりしてるけど)
埼玉県飯能市 のっぽファームさん
のっぽファームさんは、「改定種苗法施行前に雑穀農家が取る一つの選択についての考察」というタイトルでお話されました。ゲノム編集の問題点についてわかりやすく、よく研究されているなと思いました。ゲノム編集された作物と固定種野菜が交雑したら、種採りしたものにもゲノム編集の影響が出るかもしれないと。うーん、困ります。のっぽファームさんは、農家(全国でも人数はとても少ない)だけでなく、市民も巻き込んで、畑を使っていこうと提案していました。
詳しくは、のっぽファームさんが公開する予定だそうなので、Facebookページをチェックしてください。
北海道 大きなかぶ農園
大きなかぶ農園の永野さんは、自己紹介と24年間の農業の歩みについて話しました。60歳の時に広い田んぼを借りることになった流れ、その後、基盤整備によって1枚が2町の大きさになった田んぼの話が印象的です。5月から7月に吹く風で、風上と風下で田んぼの水位が変わり、水がなくなる場所と、深くなりすぎる場所が出てしまうそうです。発表を聞きながら永野さんの人柄がにじみ出ていて、こんな方なんだなって思いました。2014年に勉強会に参加してから、毎年お会いしているんです。
小島農園
小島農園の発表では、「土づくり」について、今までの試みをまとめました。有機物をできるだけ畑に投入する、耕耘によって有機物を分解しすぎないことについて話題を出したかったんです。共感してくださった人、発表後に話に来てくれる人もいました。
2021年無肥料自然栽培勉強会の小島農園の発表用資料
- 40年以上休耕地だった田んぼから学んだこと
- 水はけのよい畑でライ麦と大豆の1年2毛作
- 小麦の栽培と販売
- 麦と後作との相性
- 敷きわらの効能
- 夏に畑を裸にしない
- 浅く耕す
- 米小麦増産!
NPO無施肥無農薬栽培調査研究会
NPO無施肥無農薬栽培調査研究会の方は、「品種と水田の違いが無施肥無農薬栽培における水稲の生育・収量に及ぼす影響」という研究発表をしました。6つの田んぼで、6つの品種を5年かけて比べています。インターネット上に公開されている資料もありました。
晩生の品種が相対的に収量がいいなって思いました。研究を見て思ったのが、数値化されているとわかりやすいことです。私の発表はすべて、私の主観で、数値がありませんでした。収量の推移すら集計していないので、今後はいろいろ数字も出していきたいと思いました。
八ヶ岳南麓ファームさん
最後に、八ヶ岳南麓ファームさんの発表です。自己紹介、田んぼの育苗土の作り方、野菜苗の温床の作り方です。田んぼの育苗土は、田んぼの土と米ぬかを使うそうです。1月に作って3月に完成です。温床は、今年作ってみたいと思ったので興味深く聞きました。発表を聞きながら、八巻さんの人柄がよくわかって、10年間の自然栽培をしている間、幸せが多かったというのが印象的でした。そうなんです。自然栽培で農業をしていると、幸せな時間が多いんです。これは、もっと周りの人に伝えてもいいなって思いました。
全体シェア会
全体シェア会では、Zoom参加しているみなさんからも話が聞けました。
北海道のウエダオーチャードさん
山梨県北杜市の小黒農場さん
和歌山県のイベファームさん
小売りでは、K-FIELDS(ケイフィールズ)さん
自然農法国際研究開発センターの方も。
会場でも、
新規就農者が挨拶したり、
日高市香胡園の香純ちゃんがインタビュー形式で新規独立の話をしたり。
埼玉県春日部市の自然食の店 あべさんもコロナ禍におけるお店の様子を伝えてくれたり。
勉強会の事務局で、スクールソラシド運営者の島田さんは、ソラシドの様子、5種類の根菜を作る活動の紹介もありました。とても楽しそうに話す島田さんが印象的です。島田さん、八ヶ岳の八巻さん、北海道の永野さん、発表している間、お顔をしみじみ見つめました。みなさん温厚で、自然栽培に携わって幸せなんだろうなって思いました。人が大勢いるところでは、暗い顔の人、怒った顔の人、いろんな顔の人がいますが、自然栽培を続けているみなさんの顔、穏やかだなって思います。
2日目 畑の見学
Zoomでどのくらい畑の見学ができるかと思っていましたが、説明してくれてる人の目の前で撮影してくれていたので、よく聞こえ、畑の様子もよく見えました。
Zoom参加者からも、どんどん質問をして、その都度返事をもらえました。
明石さんの畑、関野さんの畑、渋谷さんの畑、それぞれ工夫がいっぱいあって参考になりました。興味のある方は、nicoの畑見学会を毎年7月と11月に開催していますので、ぜひご参加ください。
2012年から始まった関東での無肥料自然栽培勉強会ですが、畑の見学は初めてでした。冷たい雨風の中、開催してくださって本当に感謝です。百聞は一見に如かず、見てわかることもいっぱいです。Zoomで畑の見学会が可能なら、来年以降も全国の農家さんの畑を見学できたら面白そうです!
Zoom座談会?
明石農園さんの畑見学がはやめに終わったので、11時から13時まで休憩時間となりました。現地組がどんな状況だったか分からないのですが、Zoom組はいろんな話が出て面白かったです。お昼ご飯を食べるのも忘れて(食べながら聞いている人も)、話を続けました。
私は、土づくりについてほかの方の話も聞きたかったので、北海道のウエダオーチャードさん、山梨県北杜市の小黒農場さん、京都のRedRice農園さんにもご質問しました。ほかの方の事例も聞いていると、やっぱり抜き続けると育ちにくくなって困っているなって感じました。育つ作物、育つラインを見極めて、そこでバランスしている方も。
お互い自己紹介をしながら、知りたいことなど問題提起があって、それに答えるのが続き、どの話題も面白かったです。新規就農者からは、何を作るべきか?という質問もあり、京都は重粘土質ということもあり、アブラナ科は難しいよってアドバイスがあったり。京都からは4人くらい参加していたんです。Zoomの中で新たにつながったり。ここで、秋葉和弥さんの「適地適作的管理」の言葉を挙げさせてもらいました。
なんと、高校女子も参加していました。かわいかった。美容を入り口に自然栽培にたどり着いたそうで、「自然栽培で内側からきれいになる」という考え、ぜひ実践して広めてほしいです!
稲作の岩手県の阿部自然農園の阿部さん、石川県の 和波波Quintetの越田さんは稲作の話もしてくれました。
阿部自然農園さんは、稲作の規模拡大をして現在12町の田んぼを管理しています。私は今、規模拡大をどうすればいいのか?次々と必要なものが出てくるのでどうしようと困っていたので、阿部さんはどうしてきたのか聞きました。阿部さんはきちんと計算して、投資額を返済できると分かって投資してきたそうです。具体的に除草機は数値を教えてくれました。除草機はリースを使い、また仲間と共有している機械もあるとのことです。前にご相談した時も、お米は安定収入になるよと教えていただきました。小島農園では、米麦大豆野菜とあれもこれもやってることが、投資が難しい一因だと思います。
ここに書いたのはほんの一部で、ほんとざっくばらんにいろんな話ができてとてもとても楽しかったです。うちには小さい子どもたちがいるので、毎年、夜の懇親会まで参加することができないです。でもZoomのおかげで、家にいながら、全国の皆さんとおしゃべりができて本当にありがたいです。
実は、うちの子どもたちも、一緒にZoomで畑の見学の様子を見たり、Zoomでみんなでおしゃべりしているのに参加しました。こどもだけど、全国の自然栽培農家さんに会えるなんて、すごいなって思います。Zoomだから、向こうの農家さんのところにも女の子がいたりするんです。
まとめ
私は2014年から勉強会に参加しています。勉強会でつながったみなさんと、Facebookのおかげでその時々の畑情報なども見ることができて、とても参考になっています。同期のみなさんとは、競い合い、高めあう仲間です。毎年お会いするみなさんは、本当に仲良くしてくださって、いっぱいアドバイスもくださって、ありがたい存在です。
勉強会では、毎年たくさん学ぶことがあり、それは栽培技術であり、心意気であり、毎日の忙しさで忘れてしまう大切なことだったり。長年続けている人の持つ、考え、工夫、などなど触れられることで、感化され、自分がちょっとステップアップできる気がします。
なので、自然栽培を試みている方、これから実践したいと思っている方、どうやって参加できるか?ってお問い合わせください。
この人にはぜひ参加してほしいと思う方なら、私紹介します。
ちなみに、勉強会には熱心な人ほど学ぶことが多いです。私は研究、探求が大好きなので、みなさんにあれこれ聞いて回ってます。熱心な人には、みなさん本気でいろいろアドバイスしてくれます。
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