2019年米作り 除草、収穫、乾燥、籾摺り

11月2日(土)に、無事すべての田んぼの稲刈りを終えました。なんと1.4tも採れました。

2019年米作り 田起こし~田植えまでもあります。

水の管理

米作りで一番大切なのが苗作りですが、2番目に大切なのが水管理だと思います。田んぼをできるだけ水平に均して、水を深く保つことができれば、草があまり生えなくなります。

コイの田んぼとドジョウの田んぼの畔の強化

 新しく借りたコイの田んぼとドジョウの田んぼは、畔がゆるゆるで水が漏れました。ドジョウの田んぼは、3月から使えたので、畔板を入れました。

どじょうの田んぼに畔板を設置する

どじょうの田んぼに畔板を設置する

コイの田んぼは5月の代掻きから始めたので、畔を強く踏んだり蹴ったり、更に田んぼの土を乗せて畔塗りしたりしました。おかげで、水漏れがかなり少なくなりました。コイの田んぼは、今まで田んぼとして使っていたと聞いていたのですが、田んぼの手前と奥が浅く、中央が深かったです。平らにするのは難しかったので、今年は深いところには大きく育った豊里の苗を植え、浅いところには、2回目に播いたササニシキの小さい苗を植えました。小さい苗は活着がいいと聞いたことがありますが、1か月後には違いが分からないほどよく育ちました。

カルガモの田んぼは排水を改修

 前年、カルガモの田んぼでは、水位を調節することができず、水が多すぎて植えたばかりの稲が水没してしまうことが何度もありました。今年は排水口を工夫して「カナイ フリー傾斜パイプφ100クーラースリーブ用」というのを使ったら、簡単に高低を変えることができるようになりました。大雨のときは排水口を低くして、水を溜めたいときはできるだけ高くすることができ、抑草にもつながりました。

カナイ フリー傾斜パイプφ100

カナイ フリー傾斜パイプφ100

ツバメの田んぼは水漏れが多くて浅水に

ツバメの田んぼは、コンクリートの畔になっていて、ところどころ穴が開いています。今年は水漏れが多くて用水の水が減ったときにすぐに浅水になってしまいました。除草をしっかりできたのに、浅水のためにまたコナギが生えてしまったのが残念でした。

6月~7月 チェーン除草と中野式除草機

藻が広がる田んぼ

 うちの田んぼでは藻が広がります。調べるとアミミドロで富栄養な水を好むそうです。田植え後の田んぼに藻が広がると、水位を高くしている場合に、風が吹くだけで藻が稲に覆いかぶさってしまいます。藻が乗ってしまうと稲は窒息して消えてしまうものもあります。チェーン除草や田車などの、歩く速さでの除草だと、藻が動いて稲に被さってしまいます。2017年は、藻が広がったことで雑草があまり生えませんでした。2018年は「藻は除草効果があるから放って置こう」と放置していたら、藻が広がりチェーン除草も田車での除草も十分にできず、草を大きくしてしまいました。7月になって全部手除草して大変でした。藻のせいで消えた稲もたくさんありました。今年は「藻をとるぞ!」と決めて、田植え後すぐに、魚とり網などで藻をすくってとりました。手間がかかりましたが、藻による被害は軽微で、ある程度稲が大きくなると、藻が抑草してくれるので助かりました。

2018年藻が広がって稲が倒されたり消えたりしたとき

2018年藻が広がって稲が倒されたり消えたりしたとき

2018年 藻を取りながら稲が消えたところに補植しました

2018年 藻を取りながら稲が消えたところに補植しました

チェーン除草とカルチ除草

2017年の無肥料自然栽培勉強会に参加しましたに書いたのですが、稲作部会で除草について学びました。

まず、チェーン除草は初期の1,2回で効果があり、その後は稲を傷めてしまうので皆さんやらなくなったとのこと。次に、カルチャ(除草機)を使うとのこと。4回までは除草効果が比例して高くなるという研究があるそう。除草効果以外に、中耕効果があり、その後稲がぐんと生長するそうです。除草機は1回だけという方も少なくなかったです。

今年は、中野式除草機を2本購入して使いました。本来の使い方は、田植え1週間後に全面を中野式除草機で除草するのですが、全部で4反を1週間後に行うのは難しいので、全面的に除草をするのに時間がかからないチェーン除草をまず行い、カルチ除草の代わりに中野式除草機を使いました。最後に、水管理に失敗して草が伸びてしまったところを手除草しました。

田植え1週間後にチェーン除草

 田植えから1週間後くらいにチェーン除草を1回しました。トラック用のタイヤチェーンを3cm間隔でつた幅1.5mくらいの棒を引きます。稲も草の芽も両方倒していくという手荒な除草機ですが、短時間で広い面積の除草ができるので今年も1回使いました。

チェーン除草機を引っ張る。結構重くて大変。

チェーン除草機を引っ張る。結構重くて大変。

雑草の根っこが浮いてます。

雑草の根っこが浮いてます。


ツバメの田んぼでは、チェーン除草直後に、まだ残っているコナギがみえていました。代掻きでトロトロにした田んぼですが、稲の活着を促すために水を減らしているときに、浅いところは水から出てカチカチになってしまいます。トロトロでなくなってしまったところはチェーン除草の効果が発揮できません。田んぼはできるだけ平らにしないとなんですが、高低を直すのはとてもむずかしいです。

田植え2週間後を目安に中野式除草機で除草

 チェーン除草の1週間後を目安に、中野式除草機を使いました。田んぼが4反になったので動力の除草機も検討したのですが、エンジンの音で水音が聞こえなくなるのがもったいないと思って、エンジンなしの除草機を探していたら知人が中野式除草機を紹介してくれました。デッキブラシでこすって洗うように、10cmくらい前後に動かして除草して、また10cm先に進んで除草します。少しずつ除草するので時間がかかりますがしっかり除草できます。藻がある田んぼでは、歩く速さの除草機だと稲が藻で倒されてしまうので、中野式除草機のゆっくりた動きがちょうどよかったです。

中野式除草機で草がいっぱい浮きました

中野式除草機で草がいっぱい浮きました

 ツバメの田んぼは、水が抜ける穴をしっかり塞ぐことができず、深水管理できませんでした。除草をしっかりできたにも関わらず、また草が生えてしまったので、できるだけ手除草しました。2018年は、草に埋もれるよりはと出穂してからも除草をしていたのですが、今年は出穂前に除草を終え、稲が実るための根っこを切らずにすみました。

出穂したら防鳥糸

出穂したら、田んぼに入らないほうがいいそうです。出穂するころに出る根っこは、実を実らせるためのものだそうです。うっかり、ヒエが氣になってヒエ取りをしたり、防鳥糸を張るために田んぼに入ってしまいました。

防鳥糸は、出穂したら早めに張るのがコツです。スズメに味見をさせてはいけません。味見をしておいしいと分かると、障害があっても無理して食べに来ます。防鳥糸は、田んぼの周りを1周して、あとは8m~10mくらいに3本ずつ張っています。写真にピンク色が防鳥糸を張っている場所。10㎝間隔で高低をつけて3本張ることで、鳥が嫌がるようです。

つばめの田んぼの防鳥糸 ピンクの線

つばめの田んぼの防鳥糸 ピンクの線

防鳥糸のおかげか、今年はスズメが少なかったためか、スズメにはほとんどお米を食べられませんでした。うっかり防鳥糸を張り忘れたもち米に少し集まっていたので、防鳥糸を張ったら来なくなりました。よかったです。

防鳥網もあります。防鳥網は、お米や雑穀に張ったことがありますが、重くってとても辛い作業なのでやめました。

稲刈り

今年は、9月下旬に早生のササニシキ、彩のきずな、コガネモチを、11月上旬に中晩生のトヨサトと古代米神丹穂を収穫しました。新しく借りたコイとドジョウの田んぼもしっかり実りました。

稲刈りは、9/29に近所のSくんと遠方から2家族が手伝いにきてくれました。11/1,2には、ほっこりポッコリ自然農園の橋井さんがガッツリ手伝ってくれて助かりました。2日は親子連れも来てくれて、久しぶりににぎやかな田んぼでした。

品種 作付面積(畝) 収量 反収
ササニシキ 25.5 1002 6.55
トヨサト 7.8 323 6.91
彩のきずな 2.4 107 7.47

※収量は、籾の重さの75%を玄米の重さとしました。
自然栽培では、1反で6俵収穫できれば合格と言われています。今年はどの品種も合格となりました。とっても嬉しいです。彩のきずなの収量はさすがです!

9/9の台風15号, 9/22の台風17号、10/12の猛烈な台風19号、10/22台風20号が温帯低気圧に変わったものと、合計4つの台風がきました。驚いたことに11/2に収穫したトヨサトはまったく倒伏せず、あっぱれです。

11/1 収穫日のトヨサト

11/1 収穫日のトヨサト

11/2 ドジョウの田んぼのトヨサト

11/2 ドジョウの田んぼのトヨサト


ササニシキも今年は倒伏が少なかったです。特にコイの田んぼのササニシキが倒れませんでした。ツバメやカルガモとの違いは、中干しをしなかったことです。また、3週間遅れて播いた幼い苗を植えたことも、根張りの強さに関係したかもしれません。

収穫日のササニシキ。今年はよく熟しました

収穫日のササニシキ。今年はよく熟しました

 写真はカルガモの田んぼのササニシキ(左)と、彩のきずな(右)です。

ササニシキ(左)と彩のきずな(右)

ササニシキ(左)と彩のきずな(右)

彩のきずなは背が低く倒伏しにくいのが特徴ですが、その通りでした。ちなみに、ササニシキは倒伏しやすい性質があります。彩のきずなの収穫はとても楽で、品種改良により、作業性がよくなっているんだなと実感しました。倒れたササニシキも丈ちゃんがうまく刈り取っていきます。去年より倒れていないのは、わらを持ち出しているので少し肥料っ気が抜けたからでしょうか。

ササニシキの刈り取り

ササニシキの刈り取り

乾燥

 6月に乾燥機を購入したので、今年は稲架かけをせずに乾燥機で乾燥してみることにしました。乾燥は、少しずつゆっくりがいいそうです。

稲架に掛け、1週間干してから脱穀するのは結構大変です。ちょうど天気がいい日が続くといいのですが、2018年は収穫して稲架掛けしているときに台風が来ました。倒れると直すのも大変だし、長雨が続くと乾燥せずに発芽してしまうリスクもあります。1月の無肥料自然栽培勉強会では乾燥も低温で上手に行えば、天日干しに負けないおいしさがあると聞いています。

1回目に収穫したササニシキを乾燥させ、精米したところ、去年までより多く割れたお米が出ました。麦のときと同じように、50℃で2時間、冷めてから上下を反転して再度50度で2時間乾燥させたのです。水分計を購入して測ったら12.5%でした。メーカーにも問い合わせて、乾燥の方法を確認しました。収穫時の水分量を確認して、20%以上なら熱風で乾燥、それ以下なら通風で乾燥するといいそうです。14.5%を目安に乾燥すると言いそうです。

次に収穫したササニシキは、収穫時の水分が22%でした。設定温度を40度にして、2時間熱風を送り、水分を確認して、上下を反転させて再度乾燥させる方法を試したところ、18%になったのでひとまず乾燥収量にしました。玄米で保管するには水分が多いですが、籾で保管するので割れるよりは水分多めが安全かと思ったのです。

少量だったので1週間稲架かけしたコガネモチは、水分量を量ったらちょうど14.6%でした。天気が続いていたこともあり、よく乾燥できました。

水分計で14.6%がでました

水分計で14.6%がでました

トヨサトは、収穫時の水分量が20%でした。平型乾燥機に広げたところ厚さも20㎝ほどだったので、40度で2時間で終わらせました。水分計は高価でしたが、これは乾燥させるには必須なアイテムだと思いました。

大きな籾摺り機が大活躍

平型乾燥機を購入するために、3相200V の動力を設置しました。9月のある日、農機具屋の内沼機械さんが大きな籾摺り機を持ってきてくれました。いつものように「使ってみて」と。さっそく使てみると今までの小さい籾摺り機より早くて、詰まることがない。目を離せるから楽―!

大きな籾摺り機がやってきた!

大きな籾摺り機がやってきた!

ところで、籾摺り機は1回ですべての籾をとることができません。玄米で食べる人には、この残っている籾が邪魔になります。大きい籾摺り機で2回目の籾摺りをしたら、割れるお米がいっぱいで使えません。小さい籾摺り機がちょうどいいようです。ということで、今は大きいのと小さいのと、両方の籾摺り機を使っています。

1.4t のお米、どうにか家とプレハブ小屋と蔵に収まっています。他に小麦やライ麦もあり、11月には大豆も収穫して、さらにさつまいもも部屋で保管しないとです。我が家には部屋が5つありますが、1つが仕事部屋、1つが居間&寝床、1つが芋部屋、1つが穀物貯蔵庫、1つが乾麺貯蔵&出荷スペースとなっています。倉庫を作らないと、困った状態です。

田んぼの仲間、募集中!

今年は、のべ30人くらいの方が田んぼの手伝いに来てくれました。本当にありがたいことです。

「飯能で酒蔵をつくりたい」という方や、「米作り好きです!」という方が畑に来てくれたので、来年は米作りをいっぱい手伝ってもらおうと思います。籾まき、田植え、除草が一番大変です。

今年、ほぼ全部の工程を手伝ってくれた2名には、一人60㎏ずつお米をお渡しすることにしました。ガッツリ責任持って働いてくれる方大歓迎。川崎・下川崎地域の田んぼは、これから作る人が減ってしまうと思います。一緒にお米作りを楽しみましょう。

田んぼを楽しむだけの親子も歓迎です。ちょっと田植えする、ちょっと稲刈りを手伝う、そんな体験をお子さんにさせてあげてください。小島農園では、機械を使って広い面積で米作りをするので、手植え、手刈りなどはしませんが、田んぼは気持ちいいので、お手伝いも楽しめると思います。

カテゴリー: 米作り

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