たねのわの活動として、種採り講習会&畑の見学会を開催しました。今年で3年目です。
たねのわについては、こちらをご覧ください。
たねのわの、たねの交換会を開催しました(2015年12月)
講習会の過去の記事はこちら
たねのわ 種取り講習会を開催しました (2015年7月)
たねのわ 2016年夏の種採り講習会&畑の見学会を開催しました
参加者は少数精鋭となりました。種の交換会で顔なじみの方、今回初めてお会いする方もいました。たねのわのパンフレットで知って申し込んでくれた方がいて嬉しかったです。地元飯能の農業青年会議所のメンバで固定種野菜を栽培している農家さんも来てくれました。スタッフとして、小川町の横田農場さんも来てくださいました。
今年は次の流れにしました。
- 14時~15時 畑の見学
- 15時~16時 種採り座学
- 16時~17時 種採り実技
- 17時~19時 懇親会
畑の見学
まずは、クマの畑の草堆肥を紹介。草刈した草を積んで2mくらいの高さになっています。1年経つと土っぽくなり、2年すると土になります。これを苗を作るときの土として使うと、苗がよく育ちます。
クマの畑は、痩せていて、水はけもよいです。大豆、さつまいも、スイカ、トマトがよく育ちます。
さつまいも畑は、草が生えずにわさわさ育っています。さつまいもは、安納芋、紅東、紅はるか、玉豊、黄金千貫、太白を育てています。つるを返す(つるから出ている根っこを切る)と芋の肥大がよくなります。
ゴマも今年は良く育っています。例年になく脇芽がよく伸びています。脇芽は取ったほうがしいな(未熟な種)が少なくなると言われていますが、手間をかけられていません。
トマトは変わった栽培をしています。脇芽を全部残して、暴れないように麻紐でまとめ上げています。脇芽の花芽は取るようにしています。
車で「りゅう」の畑に移動しました。りゅうの畑は30年以上休耕地だったのを開墾しました。隣接する田んぼ2反も借りています。奥には林があり、川も流れて清々しいところです。田んぼからやってきたカエルがたくさんきてくれて、今年は特に野菜の虫害が少ないです。畑だけでなく、田んぼがあり、林と川がある環境が、生物多様性を高めて、病虫害が少なくなっていると感じています。
座学
資料をもとに話を進めました。種採りについては、本が何冊もかけるほどポイントがいっぱいあります。今年は、夏野菜と冬野菜とそれぞれ、いろいろ話してみました。
種採り講習会2017夏(PDFファイル 1.2MB)
- 小島農園の紹介
- 小島農園の
- 夏野菜の種採り 共通項目夏野菜の種採り その111月まで収穫できるナス・ピーマン
- 夏野菜の種採り その2早々に枯れるきゅうり、トマト
- 豆類 いんげん豆、大豆
- 冬野菜の種採り アブラナ科の交雑 相関図
- アブラナ科の交雑防止
- アブラナ科の種採り
- たねの脱粒
- たねの保管
- お薦めの書籍やサイト
実習
いろんな種を用意することができました。
まずは、三浦大根の種採りをしました。今年発見したのですが、大根の種採りは洗濯板がはやいです。
大根の種は、唐箕をかけました。風で軽い大根の鞘が飛ばし、重い種を選別できます。
唐箕でも、まだ大根の殻が残るので、フルイも利用します。ビバホームで売っている3種類の目があるフルイが便利です。
まだ小さい鞘が残っているので、手箕で鞘と種を分離して、息を吹きかけて鞘を飛ばします。
トウモロコシも脱粒しました。自然農法センターで販売している「もちっとコーン」をずっと種採りしています。買うと30粒で300円くらいしますが、種採りするとたくさんの種がとれます。今年は雨が多くて、発芽しているものもありました。
相模半白きゅうりの種採り。食べるときは16㎝くらいで収穫しますが、種採り用にずっと実らせていると25㎝くらいに大きくなり、皮が茶色く硬くなります。
講習会のために、1か月前に種採り用に太らせた母本を収穫して保存していました。普通は追熟が1週間で十分なところ、1か月も放置したので中で発芽していないか心配でした。1本は、傷んでいました。驚いたことに、傷んだきゅうりを割ってみると、よく乾いて種だけ残っていました。
種のない外側に包丁で切れ目を入れて手で割ります。ゼリーに覆われた種が出てきます。種を取り出して、ゼリーを取り除くように洗い、水に沈む重いものだけ集めます。
きゅうりは、取り出したゼリー付の種を1日置いておくと、ゼリーが取れやすくなるそうです。が、気温が高い夏には、うっかりすると発芽してしまうので、小島農園ではすぐに洗って干してしまいます。
ズッキーニの種採りもしました。「ミニズッキーニ」という品種ですが、種はとても大きくなります。そしてかぼちゃのように固いです。包丁でなかなか切れません。
包丁だと大変なので、薪を割る「マサカリ」を使ってみました。これはいい!
真黒ナスは、畑の見学のときに母本を収穫しました。今年の長雨で、皮がかなり傷んでいます。ナスは追熟してから種採りするといいのですが、講習会で種採りしたいので、収穫してすぐに種取りすることに。まだ果肉が硬いので、水の中で果肉をこすりながら種を採ります。横田農場さんでは、中身が柔らかくなるまで置いてから、切る前によくもんでおくと、種採りしやすいと言っていました。
懇親会
だいたい時間通りにすすみ、17時過ぎからは懇親会です。皆さんには、一品料理を持ってきていただきました。自己紹介と一品料理の紹介をして盛り上がります。畑好きなみんなで畑談義、とても楽しい時間です。
この時期、暗くなるのが早くなりました。借りてきた電気セットが大活躍。暖かな光が心地よかったです。
感想
種採り講習会、3年目はずいぶん慣れてきました。1回目は準備が本当に大変でした。準備が大変だから、今年で最後にしようと思っていたのですが、終わってみると参加者のみなさん喜んでくださって、自分もとても楽しかったので、また来年もやりたいなと思ってしまっています。数日前まで、草ぼうぼうで蚊がいっぱいいたビニールハウス、丈ちゃんと義父が草刈りをしてくれ、当日は蚊が全然気になりませんでした。この時期にビニールハウスが片付くとありがたいです。
種採り講習会の素敵なところは、「まだ種採りしたことがないけどこれから始めたい」という方に出会えることです。今回も2名は、「F1ってなんですか?」「種って買うものだと思っていました。」という種についての初心者。講習会をきっかけに、固定種野菜を作ってみる、種採りをしてみるとなると、とっても嬉しいです。
懇親会があるのも、たねのわの活動の醍醐味です。畑好きが集まることってなかなかないと思います。特に種に関する話ができる機会はあんまりないです。今回はスタッフと参加者で10名くらいとこじんまりしていたので、みんなで話しができて楽しかったです。
もう一つ嬉しいのが、畑へのお誘いができたこと。トマトの通路に敷いてある麦わらの説明をしたときに、「小麦の収穫を手伝ってくれたら麦わらあげます!」と言ったところ、ご夫婦が「わらほしい、手伝いに行きます!」と乗ってきてくれました。また、一品持ち寄りに、納豆の手巻きずしを作ったのですが、「納豆売っているんですか?」と納豆を氣に入ってくれた方。そこですかさず、「納豆は、大豆の収穫を手伝ってくれた方に渡してます」と言ったところ、「手伝います!」と即答。ありがたい、ありがたい。ほかにも、初心者ができることがあれば少しお手伝いできますなんて言ってくれる方もいて、とっても嬉しいです。
さて、来年も開催するでしょうか?とても楽しい種採り講習会、興味がある人はぜひご連絡ください。
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